第658話「アビゲイル・ウィリアムズのバレンタインシナリオを聴け」

午後八時の自室。

意識を取り戻したオタクが現れた。

オタクはアビゲイル・ウィリアムズ(一般人が想定する金髪幼女を指す言葉。セイラム魔女裁判にて語られる女)よりもずっとシトナイの方が危険だと踏んでいたが、それは間違いであった。アビゲイル・ウィリアムズのバレンタインシナリオがフルボイス化されたということはアビゲイル・ウィリアムズのバレンタインシナリオがフルボイス化されたということなのである。彼は幸福のあまり意識を失い、口から吐瀉物があふれ出していた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で口を拭った。

推しの尊さに死ぬ気持ちはよく理解できるレールガン女子高生だった。

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