第640話「はかせの愛した統計学」

午後五時の駄菓子屋。

米国風黒人青年が現れた。

米国風黒人青年は仕事(一般人が想定する平日八時間以上行う金稼ぎを指す言葉。例外的ではあるが休日に持ち込まれる仕事もある)よりもずっと駄菓子が好きだった。そして同じくらいはかせと、彼女の統計学を愛していた。青年はモロッコヨーグルを食べながら、青年が少年だった頃の記憶を思い出す。はかせ。あの胸の大きな、天真爛漫な女。あの胸にもう一度飛び込みたい。そして揉みしだきたい。大陸への留学で身に着けた本物の技術を、はかせの胸にぶつけたい。

そこにいきなり昔のままの姿をしたはかせがやってきて、とにかくすごいおっぱいを見せつけたような気がした。

だが、駄菓子屋のどこにも、彼女の姿は見当たらなかった。

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