第596話「夢と消える」

午後二時の月。

カモシカと対峙するレールガン女子高生が現れた。

カモシカは月ウサギ(一般人が想定する月に生息する殺人ウサギを指す言葉。首を刈る)よりもずっと強いわけではなかった。カモシカの未来には敗北が待ち受けていたはずだ。しかしカモシカはそれを捻じ曲げて勝利し、生存した。レールガン女子高生は満身創痍のカモシカに問う。どうして貴方は月ウサギに勝つことができたのか。カモシカは答えた。勝利はただの結果、勝とうとして勝ったのではない。俺はただ、生き延びなければならなかっただけだ。

長いレールガンを持った女子高生は、とにかくすごい攻撃で月ごとカモシカと、彼が辿ってきた運命を消し飛ばした。

その結末が、カモシカの答えがどれほど尊いものであったとしても、此処は彼女が求めた未来ではない故に。

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