第587話「人類の脅威」

午後十一時の人類継続保障機関。

脅威となりうる存在を検知したシステムが現れた。

圧倒的な個は天災(一般人が想定するレールガン女子高生を指す言葉。レールガン女子高生本人は天才と呼ばれているものと勘違いするためこの通称を喜んでいる)よりもずっと人類の未来に悪影響を与える。脅威観測システムはカモシカが戦闘力を高め続ければ一歩ごとに環境を変化させる移動結界と化すことを演算、予測していた。人類は予測に基づき対抗策を整えている。既に家畜化しているきつね、ついに家畜化に成功したたぬき。それらは討伐において人間だけでは足りない戦力を補う貴重な生物兵器となるのだ。

だがいきなり戦闘をけしかけたところで、敗北するのは容易に想像がついた。

だからもう一手を得るまで、彼らは待つことにした。

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