第585話「続く激突」

午前六時のジャングル。

炎の戦場でゴリオルタと向かい合うカモシカが現れた。

カモシカはゴリハルト(一般人が想定するジャングルの王を指す言葉。当代のゴリハルトは群れの中では強かったが、流浪のカモシカには勝てなかった)よりもずっと強い存在の気配を感じ取っており、それが目の前のゴリオルタであると確信した。復讐の炎がジャングルを焼き払う。彼らの他に生物はいなくなった。二人きりのリングにて力と力が衝突する。新幹線とのぶつかり稽古で物理耐性は高まっていたカモシカだが、属性耐性はなく、炎に焼かれた身体は少しずつ機能を鈍らせていく。久々の苦戦であった。

だがいきなり長い間暮らした豪雪地帯の記憶が蘇ってきて、とにかくすごい力でジャングルのテクスチャを貼り換えた。

ジャングルが凍結した。

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