第103話「青春の1ページ」

午後六時の海辺。

バーベキューの食材を調達してきた男が現れた。

男は肉(一般人が想定する牛肉や豚肉、鶏肉を指す言葉。魚肉は該当しない)よりもずっと魚が好きであり、しかも海でバーベキューとくれば魚介類しかありえないだろうと魚やら貝やらを大量に仕入れてきたのだが、他の男たちは肉が食いたいどうしてないんだと文句をつけるばかりで、まったくもって醍醐味を分かっていないと食材調達役の男は嘆いていた。しかしバーベキュー参加者唯一の女は彼が購入してきた品々からサザエを手に取り、私、サザエが好きなのと色っぽく微笑みかけてきてくれた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でサザエの中身を吸収した。

空っぽのサザエを耳に当てると青春の音が聞こえた。

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