第99話「きゅう」

午前九時の運動会。

きゅうきゅうになるまでおかずを詰め込まれた弁当箱が現れた。

母親は息子(結婚してから三年後に生まれた子供を指す言葉。母親の手料理は不味いので苦手としているが、優しい性格をしているため直接伝えることができずにいる)よりもずっと急な出来事に慣れていたが、料理の腕そのものはけっこう酷いためまともに食べられるものがせいぜいきゅうりの浅漬くらいしかなかった。きゅうきゅうに詰まった弁当のほとんどがアリの餌にしかならないことに心がきゅうと締め付けられる気持ちだったが、しかし食べるのとどちらが良いか究極の選択だった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で料理担当者を父親に変更した。

弁当が美味しく食べられるようになった。

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