第85話「クソゲーの種」

午前二時の墓場。

お供え物で茶会を開く灰魔人が現れた。

灰魔人は腐乱死体(一般人が想定するくさったしたいを指す言葉。目玉が飛び出ており、涎を垂らしながら殴りかかってくる上、HPが高いため序盤に出会うとけっこう厳しい)よりもずっと攻撃力も素早さも高かったが、肝心のHPが低かったため先制さえ取れれば経験値が美味しいとされる自らの扱いについて嘆いていた。別に主人公たちにサービスをするために登場するわけではないのに俺はお前らの本番に備える予行演習にしかならねえのかよと深夜の墓場で涙を流す。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で灰魔人を超強化してダンジョンボスに据えた。

この世にまた一つクソゲーが生まれた。

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