第79話「そして彼はいなくなった」

午前九時の東日本。

コーン菓子を片手に笑顔の素敵なおじさんが現れた。

おじさんは薄っぺらい笑顔(営業職が見せる表情を指す言葉。心の底から湧き上がる表情とは輝きが違う)よりもずっと心底の笑顔が好きで、いつも食べてくれる皆、美味しいと言ってくれる子どもたちの姿に心から微笑んでいたが、近年は売上が低迷し、おじさんは自分が本心からの笑顔を浮かべられていないのではないか、大嫌いな営業と同じような薄気味悪い表面上の笑顔になっていないか心配になっていた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でコーン菓子の販売を停止した。

業務から解放されたおじさんの顔は酷く疲れた笑みがあった。

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