俺と彼女は一心同体

山口 直弥

プロローグ

 俺は幼稚園ではいつも1人だった。近寄ってくるやつは、殴ってしまう。

 本当は嫌なのに、自ら友達を作らないようにしていた。

 そんな時、同じ歳の女の子が俺に構ってきた。

「ねぇ、何で皆を殴るの?何か嫌な事をされたの?」

 俺はまだ子供で、何故殴ってしまうのか、そんな事はその時の俺には、全く理解出来なかった。

「……知らねぇ」

「じゃあ、私も殴るの?」

 今思えば、この時の俺は彼女を殴らなかった。

 相手は疑問に思ったので質問をしに来た為か、又はその時の俺は彼女に何かを感じていたのか。今では分からない。

「……………」

「ねぇ、私も殴るの?」

「俺は…好きで、殴ってるわけじゃ無い。」

 それから俺は友達を初めて持った。

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