第2話 教室で見る君の一面

入学してから1週間。

俺はまだ君と話すことができずにいる。



「海人〜!部活いこーぜっ」

いつも一緒にいる竜が呼んでくる。

(今日も話せなかった…)

俺は少し落ち込みながら、でも決して顔には出さないようにグランドへ向かう。

「おう」

チラッと君を見ると

「美佳の作ったお菓子美味しい!!」

「さすが調理部のホープ!!」

いつも通り女子に囲まれてにこにこ笑っている。



(いいなぁ俺も食いてえ)

「海人はよしろ!!!先輩に怒られるぞ!」

今日も俺はグランドへ向かう。

調理部の君とサッカー部の俺は教室でしか話すきっかけなんてない。


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