レンタル異能力
鳴上緋色
プロローグ
いつもより少し早い会社からの帰路、子供たちの声が閑散とした河川敷に響く。
「ファイアートルネード!」
「ゴッドハンド!」
必殺技を叫びながらサッカーをしているようだ。懐かしい。
俺にもそんな時期があった。
キャプテン翼の技を本気で練習したり風呂の中でかめはめ波の練習をしたり。結局打てることはなかったけど今思えば微笑ましい思い出だ。
子供はそうでいい。どこにでも行けるドアが欲しいとか、自由に空を飛びたいとか、大声で口にできるのは子供の特権だ。
大人になれば思っていてもそんなこと口にすれば頭のおかしい奴だと思われておしまいだ。
言わないだけでみんな思ってるだろうな。会社に一瞬で行ければ良いのにって。使い方にも夢がなくて笑えるが。
夢といえば先日一風変わった夢をみた。
レンタルビデオ店でいつも通り映画を物色していたら急に棚が開いて隠し通路が出てくる。そして進んだ先には妖精みたいな羽が生えた犬がいて急に喋りだしたと思ったところで目が覚めた。
会社の上司が出てくる悪夢を良く見る俺には珍しくファンタジーめいた夢だったので良く覚えている。
あの犬なんて言ってたっけな。
確か...
「レンタリカ・エアフライト」
そう唱えた瞬間俺の身体は宙に浮いていた。
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