私革命

実栞

第1話

 月曜日

 週の初めでうんざりしながら通勤電車に乗る


 火曜日

 特になし


 水曜日

 特になし


 木曜日

 仕事を押し付けられた


 金曜日

 私は毎週ハワイアンカフェに行く

 女子っぽい


 土曜日

 昼まで寝る・録画の消化


 日曜日

 買い出し・掃除・洗濯 


そんなつまらない私の一週間。

別に何も変わって欲しくないし、現状に満足していた。

職場では特に目立たず、学生時代も特に目立たなかった。


私には華やかなものは似合わない。

そう言い続けて何年がたっただろうか。

クローゼットの中を見ても靴箱を見てもほとんど黒い服。


メイクも服装も言動もすべてが無難

面白味の一つもない。


ただ私には一つこだわりがあった。

料理だ。

面白味のない私の特技は、料理だ。


初対面の人に言えるのはそのくらい。

20代も半ばを過ぎてきたのに、この私は飽きもせず

アニメばかり見ている。

友達といえる人は、ほぼいない。

友達の定義が分からないのだ。


心の中の私がたまにつぶやく。


『まだこんなの見てるの?』

「いいじゃん好きなんだし」


『そろそろ彼氏作りなよ』

「分かってるよ。できたら苦労しない」


『ダサい眼鏡、ダサい服装、その服魔女みたいww』

「眼悪すぎてフレーム交換でないんでよ。服は黒着てけばどうにかなる」


『ただのOLで人生終わるとかつまらん』

「大抵の人がそうじゃん」


『このままだと死ぬまでずーーーっと一人ぼっちだよ?』

「だとしても、どうすればいい。」


「一人は嫌だな。せめて、幸せを共有できる友達が欲しい。

彼氏ほしいですとか高望みしないから」


「私どこでこんなのになったんだろう・・・」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私革命 実栞 @icandoit

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ