第7話Separately 夫々

7.


(大倉由宇子が水谷あかねから聞かされた更なる馬場真莉愛との話 編 2.)


=== 真莉愛がYoutobeにuploadしたという・・

馬場真莉愛と大倉将康の残業していた日の会話 ===



「大倉さんってばぁ、酷い人ですね」


「ナンだよ、いきなり。それよりちゃんと仕事しろっ!

 そんで早く帰りなさい」



 大倉係長ってば、逃げてるぅ。

 かわいいっ!



「折角私みたいな若くって可愛い女が夜這いしたのに

何でなんですかっ」



「何だっ、そのわけワカメないきなりの質問と罵倒は。

こっちがわけワカメだよっ」



「まぁ、いいですよ。

朝まで一緒の布団で寝られたし……って

妊娠したから責任とってくださいって言ったらどうします?」



「ブッ。

 君の話聞いてると頭痛くなってくるなぁ~もう。

 もうね、俺は神や仏の領域に入ってるンだから、妊娠なんて有り得んわ」



「何なんですか、その神仏の領域だんなんだか……っての」



「もうここしばらくSEXしてないし、しなくても済むって話」



「えーっ、ホントですか、それっ」




「なんだっ、えらい喰い付がいいんだな。参ったな」



「だって、まだ大山さん30代でしょ?

 信じられないですもん。

 それって奥さんとご無沙汰ってことですよねぇ?」



「まぁね」




 7-2


「本当なら奥さん可哀相ぅ~、真莉愛が奥さんだったら泣いちゃう。

 ・・ってだけど大倉さんのところ最近下にお子さんできてません

でしたっけ? おかしいなぁ~」



「下の子は産まれてもう8ヶ月になるけど、妻が下の子を妊娠してからは

嘘じゃない一度もないよ」



「育児に忙しい奥さんに拒まれてるんですか?」



「違うよ。誘ってないんだから拒まれるわけないだろ!」




「えーっ、酷いっ」




「何がだよ。子供もふたり目出度くできた訳だし、仕事も忙しいし

妻も小さいのがふたりいるから忙しいだろうし、あちらも

何も言ってこないから俺と同じ気持ちかもしれない。

 


 もう家族なんだよ俺達。


 家族になるとね、そういう気にはならないもんなんだよ。

 君も結婚したらわかるよ、俺の言ってる意味が」




「あのぉ、私はそんなのわかりたくないですぅ。

 でも……でも 家族だから出来ないっていうのなら他の女性とは

出来るんですよね? 

 じゃあやっぱり私立候補しまぁ~す」




「だめだよ、そんなことしたら立派な不倫だろ?

修羅場はごめんだし、社会的信用をなくす訳にはいかないんだよ俺は。

これから更に仕事に邁進して力を試してみたいと思ってるからね。

 男なら他を当たってくれ!」

 



 「つまんないのっ。

 私は大倉さんがいいのに」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る