のみすぎと心の準備
下水道に潜るには水道局の許可がいるとのことだったので、私たち一行は翌朝
忍者に引き摺られるようにして宿を出た。
「なんだお前ら、朝から元気ないな。絶好の捕り物日和だというのに。」
「昨日準備してて眠いのよ…出発はもっと後にしてよ。」
「俺様はデリケートだから朝は弱いでケロ。」
「ほっほっほ、ヒキニート殿、ハゲマント殿、二人ともまだ若いのにだらしないですのう。」
「一緒にしないでよ!」
「一緒にしないでケロ!」
こういう時だけは息がぴったりだ。なんだかなぁ。
「ハゲマンよぉ、お前は明日の準備と言って酒飲んでただけじゃないか。」
「心の準備よ!」
そこで援護射撃のように抉るのやめようよ!という目で全裸忍者を睨むと
「俺、ワクワクすっぞ。」
と某世界的アニメのバトルジャンキー主人公みたいなセリフが返ってきた。
勘弁してくれ。
「ヒキニート殿、昨晩は随分お楽しみでしたの。」
「おおおお楽しみとか俺様何もしてないでケロ!」
某国民的RPGの宿屋のオヤジかお前は!
健さん、そこはそっとしといてやろうよ…。
「『ひとりでできるもん!~はじめてのぱふぱふ~』なんて
俺様はそんなもの何も知らないでケロよ!見てないでケロよ!!」
カエルは動揺のあまり、言わなくてもいいことまで口にしてしまったようだ。
「人の趣味にとやかく言うのはアレだが、お前もうちょっとマシなの選べよ…。
今度俺の『実録・忍びの秘蔵コレクション』貸してやるから。」
そっちの方が気になる。
「さて、そろそろ見えてきましたぞ。」
健さんが指した先に、少し派手な色をした建物が見えてきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます