人気のあの子は俺の妹

katsu

　俺、雨宮和也は学力も運動能力もごく普通で友達もそれなりにいるごく普通の高校二年の男子だ。もちろん彼女なんかはいない。通っている高校も偏差値は50そこそこで部活動もこれといって強いような部はない。

　ただ、こんな学校でもやはり一人や二人はかわいい女の子はいるわけで当然男子からの人気も高い。その中でも偶然同じクラスになった佐藤莉奈さんは学年で1，2位を争う美人な女の子だ。クラスの女子のグループでは常に中心にいて、学年の男子の中では「佐藤さんファンクラブ」という佐藤さん非公認のファンクラブがあるくらいだ。もちろん俺も佐藤さんはかわいいと思う。

　そんな佐藤さんだが俺との直接的な関わりはほとんどなく、しいて言えば数学の授業中の班活動でたまに班が一緒になるくらいだ。班活動というのは4人で座席をつけて問題を一緒に解いていくといったようなものだ。その班の中でも佐藤さんはいろいろな人と情報を共有している。一方の俺は察しているだろうが黙々と一人で問題を解いている。このように、せっかく同じ班になったとしても関わりを持つことはないに等しい。それほど佐藤さんは一般人の俺からしたら遠すぎる存在なのだ。

　こんな一般人の俺と学校のアイドル的な存在の佐藤さんが誰も予想できないようなつながりを持ってしまうことになるとは……