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高校三年生に進学した一人の青年が、他の生徒に紛れて眠たげに登校している。
その姿はどこにでもいる普通の青年で真面目そうにも不真面目そうにも見えない。
「おーっす、宮原!」
元気な挨拶と共に青年こと宮原の背中を勢いよく叩くと、明るく染めた短髪と同じくらいの明るさの笑顔を見せた青年が宮原の顔を覗き込んだ。
「…相変わらず元気だな。おはよう、武田」
武田と呼ばれた青年はおうよっと元気よく返事をするとまじまじと宮原の顔を覗き込んだ。
「なんだよ」
うるさそうに左手で武田の顔を払うような仕草をする宮原に武田はへへっと笑った。
「いやー、この季節だし宮原はまた桜の姫でも思い出してんのかなーと思いましてな」
わざとらしく茶化す武田の顔を呆れながら睨みつけると、宮原は小さく溜息を吐いた。
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