勇者さまはテレビショッピングがお好き

ピューレラ

第1話 プロローグ

タロウ様の趣味はテレビショッピングを観ることだ。

 特に好きなのが深夜にやっている、ちょっと変わった変な商品が売られている番組と、その番組で商品の案内をしている美少女エレナ。

 エレナはブロンドのツインテールで、ちょっぴりたれ目、そばかすがキュートな女の子。そして巨乳だ。

 エレナが番組に出る時のコスチュームは肩だしで襟元も胸のラインギリギリまで開いているオフショルダーという服で肩と胸のラインは大きなフリルになっているデザインのものを着ている。

 タロウ様はエレナのその服装にいつも鼻の下を伸ばしながら、番組を見ていた。

 ところで、このテレビショッピングで売られている商品は家電製品や食品や運動器具などでは無い。

 戦士や魔法使いなどが使う武器や防具、旅のお供に便利なグッズなどが紹介されているのだ。

 そしてその番組が大好きなタロウ様も代々、勇者を務めてきた家に生まれた十五代目の勇者なのだ。


「タロウ様、いつもいつも夜更かしばかりしてないで早く寝てくださいよ」

 タロウ様のお世話係兼魔法使いの私は明日からの旅の準備を終えると、自分の部屋に下がる前にタロウ様にいつもの小言を言った。

 私もまた代々、魔法使いであり勇者に仕える家に生まれた者だった。

「んー、分かった、サチも早く寝なよ」

 タロウ様はそう返事をするも、顔はずっとテレビに向けたままで生返事のようだった。

 今日もテレビにはタロウ様の大好きなエレナが、おっぱいをぱゆんぱゆん言わせながら変わった武器を紹介していた。

 テレビに夢中になり、私の言葉をいい加減にしか聞いていないタロウ様に私は怒っていた。

 でも正確に言うと、タロウ様の態度に怒っていたというよりテレビの中のぱゆんぱゆんエレナに嫉妬していたのだ。

 エレナは揺れる胸の音が聞こえてきそうなぐらいの巨乳。

 私は太った男子にも軽く負ける平らなお胸。テレビでエレナを見るたびに羨ましくなるのだった。

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