カブト・ストライク
キチゴエ
カブト・ストライク
■登場人物
カブト・ストライク……ゴッド・ウッドの頂上に住むカブトムシ。人語を喋る。
ふるさわ少年……保育園に通う5才。木登り名人。クラスメイトのなおが好き。
なお……ふるさわのクラスメイト。キチゴエと交際している。
キチゴエ……ふるさわのクラスメイト。なおと交際している。
ねぷ山園長……ふるさわの通う保育園の園長先生。童貞ではない。
五郎副園長……ふるさわの通う保育園の副園長先生。ソビエトの手先。
■ある森
樹齢2万年の大木、ゴッド・ウッド。
高さ4000フィートを超えるこの木の頂上に、人語を喋るカブトムシ「カブト・ストライク」がいる。
カブト・ストライク「クソァ!人間ごときに捕まってしまった!クッ…好きにするが良い!」
ふるさわ少年「やった…やったぞ!こいつがいれば俺は!」
■ある保育園
ふるさわ少年「ほら!カブトムシだー!気持ち悪いだろー!」
カブト・ストライク「離せーッ!」
ふるさわが思いを寄せる女子・なお「きゃーっ!虫近づけないでよぉ!」
なおの彼氏・キチゴエ「てめぇこの野郎!」
キチゴエの拳がふるさわ少年を吹き飛ばす!200m吹き飛ばされ、プールに沈む古澤。
カブト・ストライク「無様だな、人間。好きな女子に嫌がらせか、身体は大きいのに心は小さいな」
ふるさわ「なんで!なんで俺じゃないんだ!なんでキチゴエみたいなのがなおと付き合えるんだ!クソッ…クソッ…」
なお「きゃあああああああああああああああああああああああああ!」
保育園園長ねぷ山「あぁっ!なおの死んだお母さんがくれた風船が空に飛んでいく!」
なおの彼氏キチゴエ「なお、諦めろよ。流石にあれは無理だってw」
五郎副園長「哀しいなぁ……」
ねぷ山園長「代わりの風船ならたくさんあるよ、ほら金玉型風船」
なお「ただの風船じゃないもん……おかあさんが最後にくれた風船なんだもん!おかあさんの形見なんだもん……世界一で一番大切な…ッ」
風 船 な ん だ も ん !
ズドアアアアアアアアアアアアアアッ!
五郎副園長「ねぷ山園長!プールが爆発しました!」
ねぷ山園長「なにィ!?」
宙に舞った水しぶき!その中心に、ふるさわ少年がいた!
ねぷ山園長「ふるさわ…生きていたのk…ッ!?」
ねぷ山園長の横を突風が突き抜けた!いや、突風ではない!ふるさわだ!子供は風の子!
風となったふるさわ少年が棒立ちにしていたキチゴエを踏み台に、空へ羽ばたく。風船の高度、4000フィート!
キチゴエ「無理だふるさわァ!高度が!」
ふるさわ「コミュ障童貞の俺にだって、一つだけ特技がある――」
空中をマッハ2で飛ぶふるさわの目の前に、巨大な何かが現れる。
樹齢2万年の大木、ゴッド・ウッド。
高さ、4000フィート。
ふるさわ「木 登 り だ」
ゴッド・ウッドの表面を走って登り、頂上からジャンプ!残念、あと一歩風船には届かない!
ふるさわ「クッ…なお…すまないッ!」
カブト・ストライク「無様だな人間」
ふるさわの頭の上から、カブト・ストライクが飛び立つ!その角が風船の紐を絡め取った!
カブト・ストライク「だが少年、君のガッツ、女子は見ていなくとも我々ゴッドウッドの民は見ていたぞ」
ゴッドウッドから無数のカブトムシが飛び立ち、ふるさわを包んだ。
ふるさわ「みんな…ありがとう……」
ねぷ山園長「あぁっ!ふるさわが降りてくる!ゲェーッ!なんだあのカブトムシの大群!」
スタァッ…(ふるさわ少年が地面に降りる音)
ふるさわ「ほら、カブトムシだ。気持ち悪いだろ」
ふるさわが風船をなおに手渡す。
なお「ううん……格好良かったよ」
ちゅっ♡
おわり
カブト・ストライク キチゴエ @altoron32
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