おつぴっぴ



どうしてこんなことになったんだろーか。

やっぱあれかな? 可愛いって上げられて女として嬉しかった的な? バカだね〜〜……。


なんにせよ、最初に断りきれなかったこみゆが悪い。……面と向かって目を見て言われたことが嬉しかったんだろーな、そういう人珍しいもんね。人間は見た目じゃないのに。


あと、心のどっかでひとりは寂しいなーーって思ってたからかも。恋愛はいらないって閉ざした瞬間 ぽっ と現れたから、揺れてしまった。腹をくくりきれてなかった的な。なんかそれっぽいなあ。流されたりして愚かだったな、って反省してる。好きじゃない相手と何か始めたところで上手くいくわけないよね。


今回のこの人も、こみゆのことを一目で好きになったとか、そういうわけじゃないんだと思う。誰かを思って恋っぽいものをしている自分に充実を感じてるだけ。酒に酔ってるのと同じ。こういう風に誰かに依存できるなら、別にこみゆじゃなくてもいいんだろーな。そんで、こみゆの目標は他の誰からも自立して生きていくこと。そもそもピースが合わない。


あの人もあの人で寂しかったんだろうけど、こみゆはそれを受け入れられない。客観的に見ても当事者としても好意の恐怖案件で、本能がときめかなかったんだから、こればっかりは仕方ない。受け入れたいと思えなかったのに、無理して受け入れる必要は無い!


ということで姐御にアドバイスをもらったし、ここからヤバいことになるようなら警察に行こう! と思う!

親戚が弁護士、ヤーさん、警察ですってことを匂わせるのが有効だって! そのうちどっかでぶっこもうと思う! 姐御ありがとう〜〜、すき。


本当は今すぐ切ってしまいたいけど、突然ブロックするようなのはコミュニケーション的な配慮に欠けてるというか、あまり良くない切り方なのはわかってるから、うまいことやるぞ。

ヤバくなったら、ヤーさんって言う、ヤバくなったらヤーさんって言う………。


「今日はこみゆ様の合格祈願に行ってきました!」


鳥居の前で石を100個積んでる画像が送られてきた。


即座にブロックしたよね。


あれ、あ、ブロックしちゃった。



(笑)



誰かが自分の合格祈願に行ってくれるなんて、本当はとても ありがたいことなんだけどね、今回に限ってはちょっと重かった。重すぎた。だって暴走が止まらないんだもん。

ぶっちゃけあの人の顔も今となってはよく覚えてない。覚えてるのは眉間くらいなもんだよ。Tゾーンだけが脳裏に浮かんでくる。


だから、あの人の中ではこみゆのこともかなり美化されてると思うんだ。ゆえに道端でバッタリ会ってもなんとなく大丈夫な気がしてる。もちろん駅周辺を歩くときは気をつけるけどね。切った後のことが怖くてブロックに踏み切れなかったんだけど……かなりの衝撃的インパクトだったわ。あっさりできちゃった。


いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、数年分の恐怖がギュッと詰まったような5daysだった。


もしかしたらこみゆは最初から全部見誤っていて、あの人は本当は悪意に満ちていて、知らないうちにこみゆは結構ギリギリのところに立ってたのでは……なんか売り飛ばすとか……っていうのは考えすぎかもしれないけど、今回のことは自業自得ながら、わりと悩まされた。男を見る目、もっと養った方がいいね。ちゃんと嗅ぎ分けなきゃ。疑問をちゃんと持ってね。


なんにせよ、こみゆにはああいうの、難しい。

今後誰かを愛して誰かに愛されることなんて、想像できないや。この二つが同じ次元で成立するって超絶すごいことだよね。どれだけ無視しても仕方ないから認める。やっぱりひとりのひとに愛されたい気持ちはある。

だけど自分が愛したいと思える誰かにはなかなか出会えない。一方的に想うならいくらでもできるけど、本当の意味で通い合うことって、実はそんなに多くないんじゃないかな。


だから、そういう相手がいる人は大切にしなきゃダメ だ け ど 、家族カードは気軽に眼前にチラつかせちゃダメだぞ。あれがモストオブこわぴっぴだった。ぴぴぴっぴ〜〜◎


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る