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二人は人気のない場所を歩いていく。
不安がる彼を他所に大丈夫だと、慣れた足取りで歩いていく彼女。
気付けば時刻は日付が変わろうとしていた。
「ねえ、今日は楽しかった?」
とある路地で不意に立ち止まり、そう尋ねた彼女の表情はいつもどおりの笑みを浮かべていた。
いつもどおり?
彼の中で冷たい何かが勢いよく滑り落ちたような気がした。
嫌な予感が一気に彼に襲い掛かる。
逃げたくなる衝動に駆られるが、隣で彼女がしっかりと腕を絡ませているので走ることができない。
「ねえ、早く答えて」
じゃないとクリスマスが終わっちゃう。
ねっとりと絡みつくような声音。
彼の喉がからからに乾き、ねばつく感覚に襲われた瞬間。
どこからかスマートフォンのアラーム音が鳴り響いた。
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