野球をしている場合じゃない!

南風

第一球目「対戦争用秘密兵器」

とある研究施設。

大事な会議が行われていた。

...名前は「対戦争用生物兵器会議」

「...それで、今の話だとその兵器が完成済の様だが...?」

「あぁ...今の所二体実戦で素晴らしい活躍を見せそうな代物が出来ておる。」

「そうか...実験体もついに...」

「しかし、この二体は我々では止められない。もし暴れ出してしまえば、この研究施設は...どうなるかわかるな?」

「あ、あぁ...うまく手懐ける必要があるということだな?」

「...奴らはまだ三歳だ。無邪気なうちは...と思ったが...二人とも妙に落ち着いている子だ。もしかすると...」

男が喋っている途中、警報が鳴り響く。

「...!?な、何事だ!?」

「博士!大変です...か、完全人間1号が...逃げ出しました!」

「なんだと!?実験体107号は!?」

「い、いえ...完全人間のみの様です。」

「...と、とにかく完全人間を追え...!」

黒田(くろだ)博士。

天才科学者。

改造人間の設計者...は、追うことに関してはあまり賛成ではないが、立場の関係上しょうがなくそう命令する。

「は、はいっ!」

「お、おい...大丈夫なのか?」

「...大丈夫...ではない...」

「...そうか。しかしまだ一体残っているのだろう?」

「...あぁ...」



冗談じゃない!いくら生命活動を機械で保てるとはいえ子供に向かって銃を撃つだなんて...あいつら常識がない!

「やばいやばいやばいやばい...どうしたらいいんだこれ...逃げ出すのはいいけども...空でも飛べれば...ってうわ!?」

身体が上に...!?っていうかこれ文字通り上に落ちていってない!?

「じゅ...重力を変えれるってこと...?」

「と、飛んだ!?う、撃てー!!!」

やばいやばい!空中だと身動きが取りにくい!あぁ!もうめんどくさい!とりあえず家まで行かなきゃ!家の方向は...えっと...日の昇る方角...東!

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