ありさ・イン・ゲームランド コバヤシ

岡井モノ

北村のコバヤシ

 いらっしゃいませ、ゲームランド コバヤシにようこそ。


 ……お客様は初めての御来店ですね、でははじめに当施設について簡単なご紹介をさせていただきます。


 まず、当施設はゲームランドと冠しておりますが、歴史博物館類似施設として営業しております、まぁいわゆるアミューズメント施設としてのゲームセンターとは少々毛色が異なるということですね。


 具体的に、まず当施設では中学生以上の方には入館料をいただいております、当日中であれば何度でも再入場可能ですが、チケットの半券が必要になりますのでお気を付けください。


 展示されているゲームはいずれも自由にプレイいただけます、料金はマシンによってさまざまですが、シンプルなエレメカ筐体のものなどは10円からご遊技いただけます、両替機も館内に複数ご用意しておりますのでご利用下さい。ただし貴重なマシンも多いので取扱いにはご注意ください、展示品に極端な負荷をかけるプレイをされる方には退場いただきます。もっとも普通に遊んでいただく限り、あまり気にする必要は無いと思いますが。


 時折設置の入れ替えやメンテナンスがありますので、次回ご来店の際にプレイ希望のゲームがある場合は事前に確認いただくことをオススメします、ビデオゲーム基板の入れ替えにも可能な限り対応致しますよ。


 飲食に関しましては専用の休憩スペースでお願いします、併設の売店で飲み物や軽食を購入いただくとこともできます、ゲームで獲得した景品のお菓子を召し上がっていただいても結構です。あ、喫煙は店外に設置された灰皿スペースでお願いします、まがいなりにも展示施設を兼ねておりますので。


 注意点としてはそんなところでしょうか、といってもあまり難しく考えることはございません、どうぞ童心にかえってお楽しみください、不明な点があればいつでもどうぞ。




 なにから遊べば良いのかわからない?よろしい、では私のオススメをいくつかご紹介いたしましょう。


 まずはこちら、1977年登場、キンタイ社の『マウンテンチャレンジ』です。

 10円硬貨をはじいてゴールに導くシンプルなゲームですが、なかなか手ごわい難易度です。クリアするまでつい何度もチャレンジしてしまう中毒性がある一品ですね。


 続いて1982年デビューのモウキ製作所『おしゃべりフクロウ』。

 電子制御のルーレットをフクロウがナビゲーションしてくれますが、これがまた当たらないんです、愛らしいフクロウが「オカネヲイレテネ!」「タノシイルーレット!」と声をかけてくるので当時をご存じの方には印象深いようです。


 1990年に颯爽と登場した名作ビデオゲーム『ファイティングストーリー』はGAYU社より発売されました。個性豊かな格闘家達が繰り広げる戦いはゲームセンターのありかたを変えたとまで言われ、現在でもシリーズの続編が登場しています、ちなみにスタッフとの対戦プレイもできますので、ご希望の方はお声がけください。


 これなんかは現存するものは少ないですよ、6インチ型のカートリッジを差し替えて……失礼、つい熱くなってしまいましたね、きりがないのでまずは遊んでみて下さい。筐体近くに店長による解説パネルも設置されております、裏ワザ情報も隠されているかもしれませんよ。




 ああ、私は店長ではありません、店長の小林はただいま倉庫の方でメンテナンス対応をしております。申し遅れました、私はご案内役の北村と申します、どうぞよろしくお願い致します。


 それでは、ゲームランド コバヤシをごゆっくりとお楽しみください。

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