第1話 ふっかつ
大セルリアン討伐から一ヶ月後、フレンズ達は「無事セルリアンを倒せた&かばん何の動物か分かっておめでとうの会」が開かれていた。
フレンズ達が賑やかに会話をしているなか、サーバルキャットのフレンズ–サーバルと、ヒトのフレンズ–かばんがベンチに座りながら大セルリアン討伐時の話をしていた。
「でもすごいよね、溶岩! あれが動いてた時はどうなるかと思ったよ!」
「船があって良かったよ! 、、あれが無かったらどうなっていたか、、、。」
「船、、、」
楽しげな会話の中でサーバルが寂しげな表情を見せる。
「やっぱり外で、ヒトに会ってみたかった?」
サーバルが思い切って聞く。
「、、、、」
その質問に、少し言葉を詰まらせるかばん。
その時、
ビュウッ!
大きな風か吹き、かばんの帽子が後ろの茂みの中に飛ばされてしまった。
「あっ! ごめん、ちょっと帽子探してくるね。」
「いいよ!葉っぱに当たって怪我しないでね!」
かばんが帽子の飛ばされた方向に行き、茂みの中に入って行った。
『かばんちゃんともお別れか、、、』
悲しそうな表情をして俯くサーバル。
すると、ベンチに座っているサーバルの前に一つの人影が。
サーバルが顔を上げると、そこには、「かばん」が立っていた。
しかし、背中にかばんを背負っていない。
「あ!かばんちゃん、帽子見つかったんだ!良かったね!でも、かばんはどうしたの?かばんを背負ってなくても、かばんちゃんはかばんちゃんだけどね!」
サーバルが冗談を言っても、かばんは反応を見せない。
「どうしたの?かばんちゃん?何か喋ってよ〜!」
サーバルが「かばん」の肩に手を置こうとしたその時、
ガサガサッ
後ろの茂みからかばんが帽子を持って出てきた。
「サーバルちゃん、帽子見つかったよ!なかなか見つからなかったけど、、 あれ?サーバルちゃん、誰とお話ししてるの?」
「えっ?」
困惑するサーバル。
『何でかばんちゃんが二人いるの?』
その非常事態に他のフレンズ達も気付いたようだ。
「なぜかばんが二人もいるの?」とカバ。
「本当なのだ!かばんさんが二人いるのだ!不思議なのだ〜!!」とアライグマ。
皆が困惑する中、その「もう一人のかばん」の異変をいち早く察知したのは、ヒグマだった。
「サーバル!危ない!」
サーバルの元へ走り、ヒグマがサーバルに体当たりをする。
「ヒグマ!何するの!?」
サーバルが怒り気味になって言う。
「サーバル!あいつからは離れた方がいい!」
ヒグマが息を切らしながら言う。
「見たんだ。あいつの背中から、セルリアンのような触手が生えてきたところを!、、おそらく、あいつはセルリアンだ。」
それを聞いて、皆が驚愕する。
「え、、、セルリアン、、、?」
サーバルは特に驚いているようだ。
遊園地に訪れる、一瞬の静寂。しかし、
「ふっ、、、あはははははははははははははッ!!」
もう一人の「かばん」が発する不気味な笑い声によって破られた。
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