第16話 時って止まるの?
ペルンは言葉に詰まった後、少年のまなざしとお願いという言葉がペルンの頭の中でリピートされていた。
ペルンの中で、迷いが生じていた。
行かせてあげるのがいいのか、洗脳して殺すのが言いのかと。
でもこれは、少年自身の問題なのだから、少年に任せ見守ってあげる方が、神としていい選択なのだろうか?
けれど、もっと考える時間がほしいと思ったがそんな時間はない、どうしたらいいジェーと考え、ペルンは頭を悩ませた結果、ペルンはある行動を起こした。
「僕ちんに少し時間がほしいジェー」
「どれくらい時間がほしいの?」
「1日考えさせてほしいジェー」
「1日?無理だよ、そんな時間はないよ。
1日も何もせず待っていたら、悪魔の人格が、何をするかわからないよ。」
「そんなことは、わかってるジェー
だから、1日、時を止めるジェー」
「時を止められるの?
じゃあそんなこと、僕たちに言わずに、時を止めて、早く答えを出してよ」
「それが、僕ちん1人じゃ無理なんだジェー
だから、少し手伝ってほしいジェー。」
ロゼと少年は顔を見合わせ、言葉が被った。
「私たちが、手伝うの?」
「僕たちが何を手伝えって言うの?」
ペルンは、二人に指示を出し始めた。
「2人とも、僕ちんに合わせて三角になってほしいジェー」
2人はペルンに合わせて三角形の形になった。
そしてペルンが、ぶつぶつと呪文のようなものを唱え始め、右で少年を指さし、左でロゼを指をさした。
そして、ペルンの小声の呪文が終わり、2人の顔を1度見合わせ、ペルンが大きな声で「フロート」と叫んだ瞬間、2人の体が、ペルンと同じ位置まで浮いた。
「これで、しっかりトライアングルになったジェー」
「なんでそこは、英語なのよ、三角形でいいじゃない。」
「フロートも浮くっていう英語だジェー」
「まあまあ2人ともそんなことはいいじゃん。
それでここからどうするの?」
「三角形になった状態でまた、僕ちんが呪文を唱えたら、成功すると思うジェー」
「思う?」
「僕ちん時を止めるの初めてなんだジェー」
「えー、そうなの?」
「あんた、本当にこれで合ってるんでしょうね?」
「段取りは、大丈夫だジェー
僕ちん、こう見えて神様だからだジェー」
「はいはい、わかったから早くやりなさいよ。」
するとまたペルンはぶつぶつと、呪文を唱え始めた。
そしてペルンの呪文が、止まりペルンが大きく息を吸い込み「すとっぷたいむ~」とへたくそな発音で叫んだ瞬間、少年の体が停止した。
「少年、聞こえてるジェー?」
「・・・・・・・・・・」
少年は完全に止まっている、返事がない。
「成功したジェー」
ペルンが喜んでるときに、普通だったらペルンだけしか今は動けないはずなのに、声が聞こえる。
「ねえ、ペルン?
成功したの?本当に?」
ペルンが左を向くと、ロゼは普通にしゃべっていた、少年だけが止まっていたのだ。
「これは、どういうことだジェー?
なんで、ロゼは動いてるんだジェー?」
「そんなこと私に聞かれても知らないわよ。」
「で、これって成功したの?」
「わからないジェー、でも少年が止まってるってことは、成功してると思うジェー」
「そう、ならいいんだけど、ゼルも止まってるか見てくるね?」
そういって、ロゼが動こうとした瞬間、ペルンがロゼと呼び止めた。
「ダメだジェー動いたら。」
「なんでよ?」
「トライアングルを崩したら、時がまた動き出すんだジェー」
「えーそうなのー?
てか1日私、この場所にいないといけないの?
退屈~」
「ロゼ、少ししんぼうしてほしいジェー
僕ちんはちょっと考えるから、静かにしててほしいジェー」
と言い、ペルンは目をつぶって、考え始めた。
つづく~
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