第14話 セリスと白式白将

「ぎゃはははははははははははははは」


と白式白将の笑い声が、お菓子の世界に響きわたった。

そして、白式白将の笑いが止まり


「じゃあ、お前の命いただくぜ。

あんだけ、弱い人間をむごく殺したんだからな。

次は、お前が死ぬ番だ」


といい白式白将が、殺戮悪魔にとどめを刺そうとした瞬間、大きな声が響いた。


「やめてくださああああああああああああああい」


その声に、白式白将は驚いて、動きを止め立ち止まった。

いつのまにか、殺戮悪魔の前に女の人が立っていた。セリスだ。


「殺すのだけはやめてください。」


「そこをどけ、そいつが何をしたか分かってるのか?」


「いえ、わかりません。

けれど、腕も足もないじゃないですか、動けないのに殺すなんてひどいです。」


「そいつは」


「あなたが、殺ったのですか?」


「は?何をだよ」


「とぼけないでください、私はここに来る途中、見ました。」


「とぼけるも何も、何も見覚えがねーんだけど・・・」


「まだとぼけると言うんですね?

私は、ここに来る途中に、酷い殺され方をした人間たちを見ました。

あれをやったのは君でしょう?」


「はー?何言ってんだよ。

俺がなぜ、そんなことをしないといけねーんだよ。」


「あなた以外に、だれがあんなことをするっていうですか?」


「おいおい、勘弁してくれよ。」


「私の質問に答えなさい」


白式白将は、ため息をつき、呆れた顔で答えた


「はぁ~、説明するのもめんどくせーぜ

人間を殺しまくってたのは

おれじゃなく、こいつだ。」


セリスは動揺した様子で質問した。


「で、でもこの方は、両腕、両足がないのですよ

どうやって殺すって言うんですか?」


「お前、バカだろ?」


「バカって何ですか、質問に答えなさい」


「だから、こいつが人間を殺しまくってたから、俺がこいつを止めようと両腕、両足を切断したんだよ」


「そ、そうだったのですか・・・」


そして、白式白将は眉間にしわを寄せセリスに言った


「分かったなら、そこをどけ、そいつは俺に殺されるべきなんだ」


「ダメです、いくらこの方が人を殺したからと言って、あなたが手を汚す必要はありません」


「うるせーんだよ、お前はそいつのなんなんだよ。

こいつは、俺を本気で殺そうとしてきたんだぞ」


白式白将は、セリスをにらみつける。

その顔を見たせリスは、このままでは、話し合いでは決着がつかないと思った。


「ごめんなさい、この方は殺させません、殺すというなら私と戦いなさい。」


「なんでお前は、そいつを守ろうとするんだよ。」


セリスはその時、感じていた。

この両腕、両足がなく、身長も姿かたちほぼ変わっているが、かすかに少年のエネルギーみたいなものを感じると、でも確信はないがそんな気がしていた。

それに、私を吹っ飛ばした時のこの憎しみのエネルギー、きっと少年だと思います。

そうだとしたら、私が守らなければなりません。


「この方のやったことは、決して許されることではありませんが、ここは引いてもらえませんか?」


「何わけのわからないことを言ってんだよ。

お前が、そこをどかないのなら、お前も殺すぞ。」


白式白将は、この女、何考えてるんだ?

まじで俺と戦う気か?

女と戦うなんざ嫌だぜ。

でもこいつが、その気ならやるしかねー

割り切るしかねーかと思っていた。


セリスの顔が変わった。


「戦うしかないようですね。」


白式白将は舌打ちをしてどうなっても知らねーぞと思っていた。


「チ、殺り会うしかないようだな。」


2人は顔を見合わせ、構えた。


つづく~

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