奇跡

曼珠沙華

第1話

日常の中の偶然から始まった恋だった。



それは、本当にどこにでもある偶然。




何気ない会話。



普通の友達と交わすやりとりと何ら変わることのない話し。





『こんな事があった』

『あの時はこうだった』


些細な事でバカ笑いした。







歯車が動き出したのは、僕。





君の優しさに、可愛い天然なところに、

『君を独占出来たら……』

そう思い始めた。





動き出した歯車は、回転を早めて、僕は君に落ちた。



それはもうあっさりと。





伝えたい気持ちと、

伝えてしまったらこの今の関係が終わるかもしれない二択に、少し躊躇いもあった。




僕の頭の中を埋めつくしてくれちゃった君。




結論。




どっちに転がっても、僕の中の君はもう消えない。



心臓が口から飛び出るってあんな感じなんだろうな……。



過呼吸よろしく全身心臓になったよw





そんな過呼吸の全身心臓な僕を君が受け入れてくれた。




もう~、舞い上がったね。


天にも昇るとはまさにそれ!





あまりの嬉しさに、本当に天に昇るところだったのは秘密w





そこからは、毎日ラブラブ(死語?w)で。



『愛してるよ』


『愛してる』




多分バカップル全開w






それから何年一緒に過ごしてきたんだろう……。





僕の生活が変わりだし、

君の忙しさが加速して、

少しずつ連絡する時間が削がれていった。




君への愛が変わったなんてこれっぽっちもない。


ただ、君に甘え過ぎた事実。




前にも1度あった……。



『もう全てが面倒になった』と君が呟いた事。




その君の感情がまた溢れ出して、追い討ちをかけてしまったんだろうね……。






僕は、最優先するべき君を

結果置き去りにしてしまった……。





僕の君への愛が変わらない事も、

どんなに忙しくても君が居るから頑張れる事も、伝わっていると思ってた。



君も同じ気持ちで頑張ってるんだと勝手に思っていた。




どんなに淋しくても、

少しの間連絡が取れなくなってしまっても、僕と君となら大丈夫だと……。





僕の君への愛の深さは君に伝わっているんだと……。




僕が変わり始めた生活に慣れて、時間も作れるようになった今、


君は隣に居なくなっていた……。







『僕の方が愛してる』


『私の方が愛してる』



笑いながらの愛してる合戦。






……僕の勝ちだよ。





君にまだたくさん伝えたい事も話したい事も

山積みなのに……。




伝える事も出来ない現実……。




それが『君の結論』だと

頭で理解しようにも

心が無理だと叫び声を上げる。








何も変わらない僕。


変わってしまった君。


君を変えてしまった僕……。





一方通行な愛は、終着駅なんてない。




愛し愛されるのは奇跡なんだと、


何故大切な事を忘れてしまってたんだろう……。




僕はもう

こんなにも誰かを愛せる自信も

愛する事もないだろうな……。




君が最後の恋。





だからまだ足掻くよ。




奇跡をこのままに終わりには出来ないから……。

































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