〇月29日(木) 記録者:海塚 琴音
朝は小雨が降っていたが、昼には太陽が顔を見せ暖かな一日となった。
皆さんお疲れ様でした。
今回のことは結論から言えば不運な重なりだったとは思いますが、二人を救出できて良かった。
再開したら恋愛相談者が列を成したのは本当にやめて欲しかったけど。
これも取り戻した平和と考えればまぁ。
・事の顛末記録。
21日から起きた失踪事件は、結果的には「結界」の仕業だった。
道祖神、お地蔵様による「邪」の排除が、結界強化や淀みが増えたことで予想以上に活性化しており「道による分岐で迷い込ませる」形として発露。
本来は分岐路や丁字路で、集落への災いを遠のけるくらいのものだったのだが、我が神社の荒神封印において淀みや邪を祓う一種の結界領域が形成されていたため、その領域へと迷い込まされてしまったようだ。
立て続けの事件で光里さんを、元の霊祖である「神」として視たうえに囁魔への戦闘態勢を持って「荒神」と認識したと考えられる。
ただ、光里さんは灯里さんの身体に封じられた存在であり、灯里さんは巫女の体質だったことで中途半端な形になったようだ。
光里さんは意識ごと落とされていたが、灯里さんは数日で目覚め、定期的に書いていたノートでこちらへの繋がりを確保できた。
解決法としては何というか、私と櫛見君の見立ては大違いで。
淀みが薄くなっていたあたりに「起点」となったお地蔵様が埋まっており、大神田萠がそのことを思い出して、埋もれていたお地蔵様を発見。
3片に分けていたお守りをしるべにして道を繋ぐことが出来たという流れ。
私がこちらで本格的に守護者になる前に忘れ去られていたお地蔵様だったが、今回の件は守護者である私が気付くべきでした。
自身の力不足を恥じて、これからはもっと修行に励みたいと思います。
余談ですが、思い出すきっかけになったのが恋愛相談に訪れた地元の子と萠が話した結果というのが釈然としません。
おかげさまで恋愛相談室は「重要な情報を得られるもの」に昇格してしまい、何故か私指定の相談室を潰せなくなりました。
萠、覚えておきなさい?
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