〇月8日(木) 記録者:櫛見 灯里

 一際澄んだ空気と、それを覆うような優し気な雲に守られた一日です。

一度大きな結界で祓ったからでしょうか。心配していたほど魑魅魍魎が出てくることもなく、善い日が続いています。


 事件なんてない方が良いに決まっていますが、あれだけの事があったにしては少々大人しすぎる気もしますね。

 光里様、怪異に貴賤はありません。いたずらにすべてを祓うのを善しとはしませんが、ここは人の世です。


 人に害成すのならば、いかなものでも交渉し、時には祓い、去って頂く。

それは私たちがこの地に根ざしているから起こる我儘と押しつけではあります。


 ですが生きるために行うことは必要なことでもあります。

そして追われる側からすれば、如何な理由でも納得はしないもの。


 我々は誹りを受けながら、粛々とそれらを担うのが定めでしょう。

ですから、評価を主張するのは烏滸がましいと思うのです。


・本日の活動記録。

探索と警戒。いくつか淀んだ気を祓いました。

兄様が淀みのあった場所に印をつけた地図を作るとのことですので、皆様一度目をお通しください。

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