愉快すぎる魔王軍の日常
松永紅龍
魔王軍結成編
一話、女神は馬鹿なのか?
・・・とある場所でどこにでもいそうな少年はこう叫んだのであった。
「どうしてこうなるのー。あれですか、前々世の悪行のせいですか。そうでしたら仕方がない・・・けどこれはムリゲーすぎる。流石に女神が手があげるだけにこの世界はやばいな。」
この少年は山中将と言うものである。年齢は十四歳で名前から見て日本人であるが少し普通の日本人とは違うところがある。それは日本に転生する前は異世界で魔王軍の幹部をしていたのである。勇者とそれなりに争いそして負け勇者と共に戦いながら人もなかなかいいかもなと思いながらも旅をしそして勇者たちを我が身を盾にして亡くなった。正直、勇者たちと出会えて心からよかったと思っている。あそこから今の自分が始まったと言ってもいいぐらいであるため。
その後はほかの異世界に何回か行ったがすべての者たちのために戦い多くの命を救った影響か英雄扱いにされたり神扱いされたが自分自身はあくまでいままでやってきたことの罪滅ぼしでやっており誇らしいことは何もないと心境であった。
そんな時に六度目の世界を救って亡くなった後にそれを見ていたすべての頂点に立つ神から感謝されて特別な力を貰った後に平和な世界に転生してみないかと誘われ日本に転生した。そこで新しい人生が始まったのである。争いが絶えないあの世界とは違くここ日本では大きな争いは起こらずただ平和に過ごしていくことができたのであった。山中はただそれがうれしくてお世話になっている人々にもできること限り恩返しもしていきついに中二病が起こると言われている14歳になった時である。大きな地震が起き建物が崩れていくところを最後に記憶は途切れ目を覚ましたら昔に転生させてもらった空間に似ているような場所に連れてこられたのであった。そうして姿を現したのはかつて異世界で覇権を争った女神であった。
山中は純粋にこれはさすがにまずい状況になるなと思っていたが女神から話を始めてきたのであった。
「こんにちは山中将(やまなかしょう)さん。あなたは大きな地震で崩れた建物の下敷きになりお亡くなりになられました・・・ですが実はこの地震は防ごうと思えばできましたがその時に別の用事がありまして手が回らずごめんなさい。」
この話を聞いて山中は真っ先に思ったことはすみません、昔に争った敵が目の前にいるのですが女神なのに気がついていないのですかそれとも俺の存在が薄かったとかですかと心の中で思いながらも女神の話を聞くのであった。
そうして簡単にまとめるととある世界が破滅寸前だからなんとか救い出してほしいというものであった。もちろん山中以外に大地震で亡くなった人々を送っているらしいそれと才能を秘めている者はそれを開花させない者は何か力を授けて送るらしい。それで最後の一人が山中になったのである。女神が適正検査みたいなことをしてからどんどん顔色を変えていったのである。
「あ、あなた。どこでこの龍脈を操る力を手に入れたのよ。こんな力を持つ者なんて神々でも数人しかいないわ。それにあなたの魂には闇の力の跡が残っているけど・・・もしかしてあなた、前世は悪魔だったの。」
ここまでわかったのに俺のことを全く覚えていない女神に今、絶望している山中であったが仕方がなく自分から名乗ることにしたのであった。
「まさか、ここまでわかって我のことを忘れているとは悲しいぞ女神。かつてお前と魔王が世界をめぐって戦ったことを覚えているか。覚えていたなら我はその時の魔王軍の幹部であった、大悪魔のシューガだ。大悪魔、タルウィの息子であり地獄の炎を操っていた悪魔だ。水や自然を司っている女神が忘れていけない相手だろう。」
「・・・・確かにそのような悪魔がいたような気が・・・。ごめん、全然覚えていなわ。」
「全然、覚えていないのかよ。これでも一応幹部だった者だ。名前と顔ぐらい覚えていろ。あの異世界ではそれなりに有名な悪魔だったのに。」
この女神に負けたのかと思うと少し悲しくなってきたが実際に戦ったのは勇者で自分をここまで変えてくれた恩人でもある。それと戦って負けたと考えるようにした。少なからず昔でもこんなダメ女神には負ける未来が見えてこない。
「それよりもよくも堂々と私の前に現れたね。普通なら逃げるものだけど。」
「普通に考えてお前のせいだろうがー。お前が大地震で死んだ我を呼んだのであろうが。それと勇者は無事に魔王を倒せたのか、異世界に行く前に教えてくれないか。」
山中は自分が死んだ後の勇者の行方が気になり不本意だがこの女神から聞くことにしたのであった。しかし女神はそれを聞いて顔を暗くしたのである。それを見て山中は少なからず勇者に何かがあったのが明白となった。
「・・・あなたがもし何か手助けになりそうになった時に話します。今は・・話しても無駄なことです。」
「・・・そうか、なら今よりも強くなり意地でも話してもらうことにする。今は異世界に送ってくれないか。魔法もそれなりに熟知している。説明も不要だ。」
女神はそれを聞いて少し考えた後で答えを出したのであった。
「わかりました、それでは異世界に送りますね。基本悪魔は信用していませんがあなたは悪魔みたいな邪気も感じられない。それにあなたなら本当に何とかしてもらえるかもしれません。どうか今より強くなって勇者を・・・助けてください。」
山中の答えは女神の言葉を聞く前から決まっていたのである。それはかつて我の心に光をくれた恩人は女神にお願いされるまでもなく助けるつもりであったがせっかくだから女神の印象をよくするためにも返すのであった。
「任せろ、勇者・フリーアはこの元魔王軍幹部のシューガが必ず助けてやるからなしかと見ていろ。」
そう言って山中は異世界に旅立った。そうしてたどり着いた異世界は光景にあまりの衝撃で言葉を失ったのである。それはすべてが終わった草木もなく空も灰色になり海も濁り切って生命がまさに滅びようとしていたのである。
その世界で再び命を吹き込み世界を救うことになる・・後に光魔王と呼ばれる者の始まりであった。
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