曹魏演義
松永紅龍
第1話、天下への始まり
天下を取りたかった。今にも消えそうな命が心の底からそう願っていた。その者は誰にも自分の考えを理解されずただ自分の志を掲げ戦ったが結果は見るのも見ていられないほどの惨敗であった。夢はこの乱世を終焉を迎えさせて自分の思う天下を作りたかったがそんな夢物語はもう終わり。周りには味方はいなく敵には追撃されているうえに兵糧も底がつき今にも倒れそうであった。その者・・・いや彼女の名は曹操。この乱世で自分のやり方で乱世を終焉させて自分の天下を作りたかったがただ、天下はほど遠かった。自分はできると思っていただけに無念も大きかったのである。結局、自分は夢を言っている無能の者たちと一緒だと思いながら歩いていたがついに倒れこんでしまった。彼女はここが死に場所かと思いつつも目を閉ざしたのである。そんな時に神もしくは仙人の悪戯か人に発見されたのである。その者は彼女を保護したのであった。それが大きな物語の始まりになるとはこの時は誰も予想もしなかったのであった。
彼女は夢を見ていた。それは自分が天下を取り天下万民が自分に感謝され英雄として扱われている。理想の夢を見ていたのである。しかし、それはすぐに幻となり消えてしまった。自分に残ったものはくだらないプライドだけであった。そんなプライドも時間がたてばなくなってしまった。自分に残されたものは何と思いながら探しても何も見つからない。自分という存在がまるで世界から否定されているかのようであった。苦しかったただ苦しかった。その苦しみから急いで逃げたかったが出口が見つからないかったのであった。彼女はもう逃げ出せないと諦め始めた時に一つの光が見えたのである。その光はまるで希望みたいな光であった。その光に向かって歩き出したのである。そして光の先へと抜けた先にはそこは今まで見たこともない場所であった。小さい小屋いや馬車みたいなところであった。曹操はまず黄昏ではないかと考えたがすぐにそんな考えを捨てたのである。それは空腹感を感じているからであったからである。それでは本当にここはどこであろうとそんなことを考えていたら二十台後半ぐらいの男性がドアを開けて声をかけてきたのであった。
「君、大丈夫かい。森の中で倒れていたからびっくりしたよ。車の中で寝苦しかったかもしれないが我慢してくれ。それとその様子ではもしかしてお腹が空いているのかな今はここにあるのはお菓子しかないけど食べる?」
男はそう言った。曹操はまた考え始めたのである。まずこの男は何者なのか、そして自分をどうするつもりなのか。さらには先ほどから聞きなれない言葉が出ているものも気になっていたが曹操はお腹が空いていたのでまず食べ物を素直にもらうことにしたのである。その食べ物をゆっくりと食べ始めたのであったが曹操は言葉を失ったのである。心の底からうまいと思ったからである。取り合えずもらった食べ物をすべて食べ終えてから曹操は男に話しかけたのであった。
「そこの者、一応礼は言っておくけど私をどうするつもりだ。このまま、董卓のところに連れていき恩賞もらうのが目的であるか。それともあんまり考えたくないけど私を襲うつもりなのか。まあ、どちらにせよあんまりいい結果ではないがな。」
曹操は何か裏があると考え男に目的を聞いたのである。しかし、帰ってきた答えは自分の予想をはるかに超えるものであった。
「とりあえず話す前に自己紹介する。俺は松本進楽と言う。気軽に進楽でかまわないよ。それと助けた理由はあんな場所で少女が倒れていたら助けるのは当たり前のことだろ。だから気にしないでくれそれよりも助けなくて亡くなっていたら翌日のニュースで報道されたらこちらも嫌な気分になるしだから気にしないでくれ、それよりも家まで送るつもりだけどどの辺りなのかな。あんまり遠くとは思えないけど送っるつもりだ。」
曹操は呆れ半分衝撃半分であった。今、自分を助けるということは今、最大権力者の董卓を敵に回すと言っているもの。この男が正気なのか怪しいがそれと同時にまたしても聞きなれない言葉を耳にしたのであった。ニュースとはいったい何であろうと思いながらも男にこうお願いをしたのである。
「できればそうお願いしたいところであるがいったいどうやって移動する気なのか。私は豫洲、陳留郡であるが今、現在はせいぜい河東郡であるぞ。」
男は悩み始めたのであった。曹操から見れば当たり前のことである。ここから馬でもない限り長い旅になるのは火を見るよりも明らかである。だが、この男は見た感じ馬を所有していないうえに男自体が強そうも見えない時点で不可能に近い状況である。曹操は拒否られるだろうと考えていたが男が見慣れない板みたいなものを取り出してよくわからない行動を始めたのである。そしてそんなことをしながら何回も自分の顔を見てきたのである。何回か繰り返した後で男が改まったように話したのであった。
「も、もしかして君は曹孟徳であっていますか。できれば合ってほしくないけど。」
曹操はやはりそうかと思いながらも覚悟を決めて自分の正体を明かしたのであった。加えて態度も変えたのであった。その理由として下手に逆らって男の気が変わったら自分は董卓のところに連れていかれると言う恐怖があったからであった。この若すぎるだけにあって恐怖心がより強くなっていたのであった。
「・・・はい、私が曹孟徳です。先ほどの件はなかったことにしても構いません。これ以上、あなたに迷惑をかけるわけにはいきません。ですがどうか私をこの場から見逃していただけないでしょうか。私はこの通りにお礼は何もできませんがどうか。」
曹操は進楽の顔をじっと見つめて、ゆっくりと丁寧に話した。曹操自身はさあ、ここからどう出てくると警戒しながら隠していた短剣に手をかけながら答えを待っていたら進楽が魂の叫びかのように声を上げて言ったのであった。
「完璧に1800年前にタイムスリップしているじゃねかー。あの仙人もどきが言っていたことは本当のことだったのかよー。どうするだよ、俺。確か、グーグル先生で調べたらこの時代はかなり危険だと書かれているですけどそれなのに俺は体育の授業は平均ぐらいなのにマジで\(^o^)/状態なんですけどーー。」
曹操はあまりにも取り乱した男の気迫に押されて何も言えない状態であったがそんな状況でも曹操は重要な言葉を聞き逃さなかったのである。それはこの男はたしかに1800年前と言ったのである。ということはこの男は未来から来た可能性が出てきたのである。それに今までよくわからない物も未来でできたものだと言えば筋が通る。曹操がそう考えているうちに男は落ち着きを取り戻して話を始めたのであった。
「話を戻しますが私はおそらくこの時代の人間ではないと思います。先ほども言ったかもしれませんが今から1800年後の人間です。そして俺は平凡な人間です。強いて言うならこのスマホと言うものから物を購入できるぐらいです。詳しいことは後で話しますがこのスマホと言うものがないと一般人と大差はないぐらいです。」
男はそう答えたのであった。曹操は考えた。この男を配下にして出てくる利益と不利益を。その表情は、先ほどまで得体も知れない者に恐怖を感じていた少女の面影もなく、そして夢に破れた負け犬でもなく、その先を見つめていた。この者をどのように活かすかという一点だけを考えるのであった。そして考えた答えは配下に加える方針に決めたのである。
「たしか、松本進楽と言いましたね、もし行くところがなければ条件次第では面倒見ますが・・いかがでしょうか?」
男はこれ以上にない渡り船が来たと顔に出しながらお願いしますと泣きながらお願いしてきたのである。曹操は何も言えない状態になったがさすがに気まずいので話題を変えたのであった。自分は後世でどのように語り継がれているのか気になり進楽に尋ねたのであった。男はちょっと待ってくれと言ってスマホと言うものからまたしても何か始めたのであった。数分後、調べった結果はこうであった。
曹操、字は孟徳
曹魏志に出てくる中心人物。軍略、内政、文学などで活躍し中国はもちろんアジア周辺国家さらにはローマ帝国まで影響与えた公式チート人物である。彼女が作った魏帝国は中国史の中でも一番長く続き今現在の中国の地盤を作り出した。そして、人類史上、最初の銃を作り出したとも言われているが当時の武器はほとんど残っておらず創作だと言われている。正式に確認されるのはヨーロッパである。ほぼ完璧ともいえる彼女だが身長はかなり低かったと記録に残っている。そのためか後世のゲームやアニメでは合法ロリキャラとして扱われている。さすが変態国家日本、どんな英雄でも美少女に変えてしまうとは。だが、正史のほうでも曹操の魅力に魅かれた人物は少なくないのであながち間違いではないかもしれない。上の記載されている通り身長が低かったせいかある動画では永遠の15歳とタグがつけられている。いろいろとネタにも使われている彼女だが成し遂げた偉業は今の社会を作り出したと言っても過言ではない。今、二十一世紀になっても彼女の研究は続いている。
男は曹操という人物の偉大さに驚きながらも曹操に伝えたのである。それを聞いた曹操はうれしさ半分本当に自分ができるのか疑問半分であった。今、董卓の追撃隊から逃げるのが精一杯な自分が・・と思っていたがこの進楽という未来から来た者の力をうまく使いこなせばこんな自分でも天下を狙えると思えてきたのであった。そんなこと考えていたら進楽がおそらく当分この時代にいることになるからこの国風に名前を変えたいと言ったのである。曹操自身も進楽が未来から来た人間ということはできる限り隠したいところであったために賛同して曹操は名前を考えこう言ったのである。だが、彼女は実は名前を考えるのは得意な人ではないのためにあんまりいいのが思いつかずに出したのが
「それでは、今日、今からあなたは楽進と名乗ってくださいね。字は松本でいいですよね。いやと言わせませんよ。いやと言っても楽進と言うからね、これからよろしくね。」
「すみません。曹操さん、すごく頑張って考えた名前だと言っていますけどただ俺の名前を反対にしただけですよね。めんどくさかったのですがもしくは名前を考えるのが苦手なことでしたか。」
曹操は顔を真っ赤にしながら否定したが嘘がバレバレであった。そんな可愛げな姿を見て男は間違いなく成長したらとんでもない美人になっていただろう。しかし、見た目がこれ以上成長しないことを知っているだけに残念である。まあ、少女好きの変態なら話は別だがそんなにたくさんはいないだろうと思いたかったが書物では曹操の魅力に魅かれた人物は少なくないと書かれているため少なからずロリコンは絶対にいると考えていた。それと先ほど自分に楽進と言う名前をくれたが具体的にはこの名前は後世に残っているのか。本人はできれば目立ちたくないので残っていないほうが良いわけだがグーグル先生で調べた結果は本人の希望とは真逆のほうであった。
楽進、字は松本?
曹魏志に出てくる魏の武将。曹操の右腕として数多くの偉業を支えた名将。だが、出身も具体的には残っておらず。曹操を支えたと言っても具体的にはその内容は残っていない。曹魏志自体が出てくる人物は詳しく残っているがこの楽進のみ残っていないのである。一説では架空の人物ではないだろうかと言われるほどである。だが、最近の研究の結果では同じ時代の書物からにもこの楽進の名が出てくるので実際にいた人物だと思われている。不明な点が多いため。この人物も曹操に続いて扱われキャラとなっている。有名なゲーム、夢想姫では未来から来た主人公が楽進となり曹操を支えながらいろんな人物を落としていくゲームである。変態国家日本だからしょうがない。だが、実際に千年以上まではありないものが発見されている。科学者たちの結果はこれは車の一部ではないかと言っている。万が一それが本当だったら楽進は未来から来た未来人となるが真相は今だ闇の中である。もう一説では楽進は宛城の戦いで討ち死にしているとも言われているが文献が少ないのでこちらのほうも仮説のままである。
男の心境はやったぜ、俺が歴史の真相を明かしたぜ。俺が楽進となり曹操の天下を導けば良いだろそんなことできるわけないだろうがー。どうするの俺、真面目に天下に導かないといけないのかよその上に下手にすればこの宛城と言う場所の戦いで死ぬことになるのですけどと思いつつもまずは彼女の本拠地に帰ることからしようと思っていたが曹操が話しかけてきたのである。
「そもそもこの建物は何と言いうものなのかしら。狭くて困っているだけど・・。」
「曹操さん、これは未来で発明された車という乗り物でございます。せっかくの機会ですから楽しんでください。それと車の窓から顔を出さないでくださいね。あんまり障害物はないとはいえ危ないですから。」
楽進はそういって車を発進させたのである。現代人からすれば見慣れそして車に乗ってもあんまり感動起きないが乗ったこともないものからすればそれは感動そして新しいことに喜ぶ感情が溢れていた。曹操も例外ではなかった。その時の曹操は本来の純粋な少女であった。それは曹操が天下への道を走り出したかのようであった。曹操、楽進この二人の出会いが中国・・いや世界の歴史を作っていくことになるのである。そしてこの二人の出会いが曹魏志の始まりでもあった。
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