第8話 バイブ

 ブーッブーッ。

 どこかで携帯のバイブがなる。

 最初は普通音だった。

 ブーッブーッ

 バイブの音は鳴り止まない。

 まるで誰かに気付いてほしいかのように、徐々に音はでかくなる。

 誰かが気付き、携帯のバイブを止めた。

 しかし、少し経てばバイブは動きだす。

 ブーッブーッ。

 さっきよりも早いスピードで大きくなっていく。

 また、誰かが止める。

 また鳴り出す。

 繰り返していくうちに、消した途端に鳴り出すようになり始めた。

 それも、尋常じゃないスピードで音が大きくなる。

 人々は嫌になって、次々と携帯を放り投げた。

 バイブは止まらず、大きくなっていく。

 ブーッブーッ。

 その音と振動は災害レベルまで発展した。

 総理大臣が携帯を探させ、見つけた時点でその携帯をハンマーでぶっ壊した。

 携帯は壊れ、バイブの音と振動はなくなった。

 人々は元の日常に戻る。

 しかし、その日から各地で同じ事件が多発するようになった。

 何もしていないのに、勝手にバイブが鳴ってしまうのだ。

 仕方ないのでそれらの携帯は全て壊した。

 総理はこの新たな問題に、戸惑いを感じていた。


「これが、最近噂になっているサイバーテロなのか。こんなものどう対処すれば……」


 そして総理の携帯も突然……。

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