第2話 高齢化

 超少子高齢化の時代が来た。

 60歳以上のお年寄りが全人口の半分を占めた。

 若い世代が減り、どこの企業も若い人をゲットしたいと考えている時代になってしまった。

 若い世代にとっては、ある程度頭が良ければ大企業に入ることもできてしまう、なんともありがたい世の中だと喜んだが、企業の成績不振は避けられず、国全体が伸び悩む社会となるのは目に見えて当然の結果だった。

 ところが、とある1つの企業が社員を80歳近くまで雇うという、前代未聞の作戦に出た。

 契約社員として定年退職後も雇う企業はどこにでもあったが、そもそもの定年退職である65歳を大幅に超えて雇っているところというのは初めてだった。

 その企業曰く「使えない若手より、ベテランの社員のほうが使える」とのことだ。

 そして、その考え方が見事ヒット。

 使えない若手をクビにし、80歳まで人材を残すことでその企業は目覚ましく成長を遂げた。

 それを見た他の企業はすぐさま真似をし、使えない若手を次々切っていった。

 そのおかげか、若手を切った企業は不景気を乗り切ることができた。

 しかし、クビにされた若者や、就職活動を行っていた若者は、唐突に狭められた就職という門をくぐり抜けることができずに、あぶれだしてしまった。

 その後、日本始まって以来最大の就職氷河期が、少子高齢化の次の問題となってしまった。

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