1話数分で読めるショートストーリー

旅ガラス

第1話 氷河期

 ついに氷河期が来た。

 その寒さはもはや、普段通りだった日常とは全く異なるものだった。

 短時間に何度も大きな音と共に強烈な風が吹き、中枢から先端にかけて、全てが冷え切っていた。

 これは、人が自分の利益のために周りの注意を無視して、酷使しすぎた結果である。

 今更後悔してももう遅い。

 全ての細胞が死滅していくのを感じる。

 私はこれ以上手遅れになる前に、早急に手を打たねばならないと判断して、この件に関する専門家を訪ねた。

 専門家は私にこう言った。


「ただの風邪ですね」

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