(香月美夜乃)

 その日の決定で、ぼくは新顔のその上級生といっしょに当番にあたることになった。委員会の間中、彼女は手元の本から少しも顔をあげようとしていない。

 結局その日、ぼくに分かったのはその先輩の名前だけだった。

 ――香月美夜乃

 それが彼女の名前らしい。

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