(魔女の彼女)

 ぼくが彼女、香月美夜乃こうづきみやのとはじめて出会ったのは、中学二年になったときのことだった。

 彼女は同じ中学の三年で、だから先輩だった。ただ、ぼくは今でも彼女のことをあまり先輩としては考えられないでいる。

 そう考えるには、彼女は規格外すぎたし、先輩というとらえかたに大した意味があるとも思えない。何しろ彼女は〝魔女〟だったのだから。

「魔女は歳をとらないのよ」

 彼女はそんなことを言っていた。

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