終章 鮮血の運命



 鮮血の運命に捕らわれる前。

 最も無垢に、純粋に、何も知らず、愚かしく生きていた世界があった。

 それは根源たる場所。

 始まりの世界。


 すべての始まりの……大元の世界で、俺はレミィに出会った。

 たった一週間の長くない時を過ごし、穏やかな時間を過ごし、そして名残惜しさと共に別れる。

 どこにでもあるようなありふれた幸福の日々に離別を告げた。


 その後に立ちふさがる運命が、誰もが血を流す破滅の景色……鮮血色をしている事など、何一つ知らずに。


 そして……


 ただただ何も知らず、最初の自分は運命の輪に飛び込んで行った。

 繰り返す時の輪の中に。


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