別世界の終着点-ファイナルポイント-

ホワイトゼウス

第1話 もうひとつの世界へ

ある一人の青年、数記は、引きこもりである。

「ついでにコンビ行ってくるか」

彼は毎日夜中にコンビニに行く。

アルバイトではない。

自分の食料を買うためだ。

「カプラーはと」

今日はカップラーメンを買いに来た。

彼は引きこもりだとしても、そこまでサブカルチャーには興味がない。

むしろUMAなどのオカルトに興味があるほどだ。

「お、新商品だ」

毎週一回は新商品を探して転々とコンビニを巡るが、今日は珍しく一店舗目に見つけた。

彼はカプラーマニアであり、ペンコレクターであり、消しゴムコレクターである。

そう、コレクト属性が異常に強い。

そのカップラーメンをレジまで黙って運ぶ。

「500円です」

「意外と高けぇな」

やはり高いものは嫌いなのである。

「ありがとうございました」

買ったそれの入ったレジ袋を見ると、妙な虹色のチケットがあった。

なんだか、電車で使うICカードの形をしている。

「なんだよ、俺心の隙間ねぇのに」

そんなことを考えながら帰った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

帰って自室で例のものを細かいところまで見てみる。

「はぁ!?」

こんなことが書いてあった。

1.自分の好きなものを全部かばんの中に入れろ。(TV等動かせないものは除く)

2.このカードを最寄りの駅のICカードリーダーにかざせ。

3.あなたは新世界の目撃者となる!

(ガムは持って来ないで下さい)

何でここだけ敬語なんだと思ったが、どうやらこれはもうひとつの世界のパスポートらしい。

数記は一年半ほど高校をサボっており、単位がなく、人生敗者も同然だった。

「英世さんいたかなと」

そんなことをつぶやいたら、もうひとつ項目が増えた。

4.これに入金する必要はない。ただの金の無駄だ。やめろ。

「絶対どこかで見てるだろ」

しかし、全く視線を感じない。

「ということはお金がいらないってことか」

数記は明日の始発にでも行こうと考え、睡眠をとった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はっ!」

気づいたら、7時だった。

「まあ、いいか」

彼は大きなリュックにいろいろな荷物を詰め込む。

シャーペン(20本)

シャーペンの芯(500本前後)

ボールペン(10本)

メモ帳(数えきれないほどの枚数)

消しゴム(3個)(消字性能が高いもの)

その他もろもろ・・・

「行こう」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

自転車に乗りながらやってきた。

彼の最寄り駅は、原宿駅だ。

何故こんな一等地に自分の家が立っているのかは見当がつかない。

周りからはもちろん変な目で見られる。

警察に通報されたとしても大丈夫。

多分別の世界に転送されるのだから。

そう思いながら、虹色のカードを使って、改札を通った。

途端・・・

「なんだこれ?」

白い光に自転車と鞄ごと吸い込まれた。

全部の装備品は無事だ。

10秒ほどしたら、別の空間に飛ばされた。

「あなたが別の世界から来た時の旅人さんですか?」

恐ろしいほど綺麗な銀髪の女の子がいた。

Tobecontinued...

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