第1083話 『ヴァイオリ協奏曲 hob.Ⅶa: 1.3.4』 ヨーゼフ・ハイドン
モーツァルト先生(1756~1791)より、大分先輩にあたるハイドン先生(1732~1809)ですが、人生では、はるかに長生きをなさいました。
しかし、モーツァルト先生は、大先輩というよりも、むしろ、ハイドン先生を、ライバルと見ていた感じが強くします。
また、ハイドン先生が、逆に、後輩モーツァルト先生に影響されたらしきお話しも聴きます。
しかし、短い人生を駆け抜けたモーツァルト先生亡きあと、ハイドン先生は、オラトリオ『天地創造』(1796~1798)、オラトリオ『四季』(1798~1801 ?)、という、モーツァルト先生が届かなかった方面の、不滅の傑作を遺しています。このあたりは、聴いておりますと、ほんとに、ヘンデル先生の『メサイア』以来ではないかというくらいに、神々しく感動的です。
また、交響曲でも、後半あたりでは、モーツァルト先生に押されぎみだったところ、もー先生亡きあとには、猛ダッシュしたかのように傑作を書き続けました。最後のあたりは、もー先生のラスト3曲と互角では。
弦楽四重奏曲では、モーツァルト先生も、さらに、ベートーヴェン先生(1770~1827)さえも、ハイドン先生を越えてはいないと、おっしゃいます専門家さまも(マニアさまも)あるようです。
また、やましんが、まったく、まだ、大方、放ったらかしなのが、ハイドン先生のピアノ・ソナタで、いつでも聴く準備は出来てますが(聴いてないわけでもないけど、根性入ってない)………というあたり。ふふふ……
しかし、こと、協奏曲にかんしては、ハイドン先生、もー先生にも、べー先生にも、まだ、時代が早かった分、水を開けられてるような………。個人が個人として、作曲家兼ソリストとしても、指揮者としても活躍する、新しい時代に、ちょっと、モーツァルトさんほどには、乗れてなかったような。もっとも、長生きしたので、後半生には、宮使いからも解放され、また、イギリスに渡って以降は、自由に、モーツァルトさまにもできなかった、活躍をしたわけ。
もちろん、ハイドン先生にも、人気がある協奏曲の傑作が、あります。
なんと言っても、一番は、2曲の、『チェロ協奏曲』でありましょう。
特に、ニ長調の協奏曲は、すべてのチェロ協奏曲の中でも、トップを争う位置にあります。
もー先生にも、べー先生にも、対抗できるチェロ協奏曲自体、見当たらないです。(べー先生には、切り札、チェロ・ソナタがある!)
が、まてまて。次は何だろう?
人気があるのは、ピアノ協奏曲ニ長調hov.ⅩⅧ:11 でしょう。
ピアノ協奏曲といいますか、チェンバロ協奏曲といいますか。
ミケランジェリさまや、アルゲリッチさまの録音がありますのは、壮観。
ふっと、短調に陰るあたりや、特に終楽章の急激な転調、それに、第2楽章の佇まいは、モーツァルトさまの影響かもしれない。
この曲の世界初録音は、なんと、日本発。
マーラー先生の交響曲第4番も、世界初録音は日本発。
シベリウス先生のステレオ録音による初の交響曲全集、また、デジタル録音による初の交響曲全集は、どちらも、日本発。いずれも、詳しくは、ここでは、長くなるので省略。
なお、ト長調のピアノ(チェンバロ)協奏曲も、聴けば、身に覚えのあるかたが、けっこうあるはず。
ハイドン先生、さらに、『トランペット協奏曲変ホ長調 hov.Ⅶe1』は、人気。
しかし、ヴァイオリン協奏曲には、あまり、人気作品といいますか、すごく、親しまれているといいますか、が、無いような…
でも、作品が、無いわけではありません。
真作は、4曲あるなか、2曲めは、行方不明で、いま、真作として聴くことができるのは、標題の3曲。
やましんが聴いてるのは、イザベル・ファウストさまのCDです。(pan CLASSICS 510 102)
ちょっと古風な雰囲気が残る、でも、やはり、ハイドン先生らしい音楽であります。
べー先生みたいに、聴き手を、悩ませない。苦しめない。
そこは、ハイドン先生の真価。
なので、とにかく、悩みたくない、あまり、哀しみたくもないときは、ハイドン先生の出番です。(それだけではないですけどね。)
お客様に、よい気分で帰っていただくのが、ハイドン先生の音楽の基本かと。
あ、全体的に、第2楽章が、なかなか、じゅわじゅわ。
第3番は、1949年に発見。
ハイドン先生、まだ、どこかに、潜んでいる楽譜が、あるかも。でも、うちには、ないなあ。残念、残念。(最近、くちぐせ。)
◇◇◇◇◇◇◇◇ うつ ♨️☀️ うつ □□□□□□*◇
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