第1048話 『ピアノと管弦楽のためのコンチェルトピースホ短調作品9(フィンランド民謡に基づく)』 ミエルク


 エルンスト・ミエルク先生(1877~1899)による、事実上のピアノ協奏曲です。


 フィンランドの生んだ、早熟の天才。


 病気がちで、長生きできなかったのが、あまりに惜しいかたです。


 フィンランドにおいて、最初の本格的な交響曲を書いたのは、シベリウスさま(1865~1957)ではなくて、こちら、ミエルクさまです。


 『交響曲ヘ短調作品4』は、1897年の作品。


 シベリウス先生の第1交響曲は、1899年に書かれました。


 ただし、『交響曲』と、呼ばれたことがある『クレルヴォ』は、1892年ですが、現在は、単に『クレルヴォ』とされることが多いです。


 シベリウス先生も、10台、早くから沢山の作品を書いていたことが、20世紀も末になって紹介されだしましたから、早熟ではなかったとも言えないけど、ご本人が、早いキャリアは、あえて、消そうとしていたような感じがあります。


 ミエルク先生は、22年しか生きられなかったので、そういうやり方は、出来なかったし、このピアノ協奏曲的作品も、事実上、この時点で、完成状態にある作品だ言えると思います。


 第1楽章は、力強い躍動感があり、ピアノのパートは、名人の域にあり、シベリウス先生のピアノ作品とは、ちょっと次元が違うような気さえします。


 これは、作曲家としての、気質の違いでありましょうけれど。


 第2楽章は、なかなか、じゅわじゅわ、癒し度もかなりある、深い音楽です。


 表面的だけでなく、なかなか、深いメンタル面を見るように思います。


 第3楽章は、CDの解説にあって、聴いていてなるほど、と思いましたが、ロドリーゴ先生の『アランフェス協奏曲』を彷彿とさせたりしますが、これは、1939年の作曲です。


 聴いているのは、スウェーデン、スターリングレーベルのCDで、『交響曲ヘ短調』といっしょに、入っています。(CDS-1035-2)



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇うつ 🌺🌺🌺 うつ ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 


 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る