第1010話 『ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調作品30の2』 ベートーヴェン

 こちら、だいたい、1802年あたりに作曲された作品とされます。


 1802年は、ベートーヴェン先生を聴かせていただくうえで、大変大切な時期でありましょう。


 それは、ハイリゲンシュタット(やましんは、行ったことないです。)で静養しながら、作曲はかなり活発にしていた時期で、いわゆる、ハイリゲンシュタットの遺書が書かれたのは、10月6日.10日。


 内容は、ここでは触れませんが、遺書というより、生きることを選んだ宣言、みたいな感じがあります。


 ベートーヴェン先生の偉大さは、このあと、自ら大躍進したことであります。


 ただし、世の中に対しては、次第に厳しくなったようですが、このあたりは、才能豊かな方に、人類を代表する作品を書いてもらうためには、しかたがない部分でもあります。


 聴覚の問題がよく取り上げられますが、もっと、本質的な問題と考えるべきかもしれないです。


 で、この年には、バイオリン・ソナタの『第6、7、8番』が書かれます。


 また、ピアノ・ソナタの『第16、17、18番』。


 それから、『交響曲第2番』。


 この交響曲は、とても素晴らしい音楽ですが、ジャンプ台に立つ寸前というところですか。


 そうして、1803年になると、革新的な『ピアノ協奏曲第3番』、おなじみ『バイオリン・ソナタ第9番』(クロイツェル・ソナタ)、『かんらん山上のキリスト』など、で、1804年に、ついに『交響曲第3番』が出現(言い方悪いですね。)します。ベートーヴェン先生は、ここから、誰も行ったことがない、新しい時代を築きます。


 で、この、ソナタですが、まず、調性が、ハ短調というのが、ちょっと尋常ではない感じがあります。


 少し先に書かれる『交響曲第5番ハ短調』(1808年)からしても、ハ短調という調は、非常にシビアな雰囲気を持ちますような。


 それから、このソナタは、4楽章あります。


 第5番(春のソナタ)以来です。


 でも、明るい、スプリングソナタとは、描いている世界が、かなり違います。


 バイオリンの不安そうな出だし、それを不気味に盛り上げるピアノ。


 たいへん、劇的な世界が拡がります。


 これぞ、ベートーヴェンさま!


 ぜひ、まだの方は、チャンスが来たら、接近遭遇を。 🛸👽




・・・・・・・・・・ うつ ⚡🌀☔ うつ   

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