第1009話 『ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調作品12の3』 ベートーヴェン

 作品12の、3曲セットの3つめ。


 第2楽章が、まず、『うつうつ』的に素晴らしい。


 いくらか異世界風景のような、高い癒し度があります。(個人差あります。)


 もう少し、音楽的に言えば、ベートーヴェン先生らしい、深い包容力のある音楽ですが、ちょっと突然の予想外の音で、釘を刺される場面があったりして、聴き手を挑発したりもするので、油断はできません。


 第3楽章は、開放されたような心地よさがたまらなくよいです。


 モーツァルト先生時代の途中あたりが来るまで、ヴァイオリン・ソナタは、ピアノが主体で、ヴァイオリンはむしろ添え物でしたような。


 でも、ベートーヴェン先生の場合は、なるほど、ピアノにしっかり力が入ってはいますが、対等の立場になっているかんじです。


 ただし、ピアノ伴奏、というのは、ピアノさんに、失礼みたい。


 ぐんぐん、気持ち良く宇宙空間に分け入って行く推進力は、ベートーヴェン先生ならではの高性能エンジンにしか産み出せない力です。


 でも、作曲されたのは、1797年から98年にかけてなので、まだ、二十歳代の若いべー先生です。


 やっぱ、ただ者ではない。


 師匠である、サリエリ先生に捧げられましたとのこと。


 サリエリ先生は、すっごく、偉い人だったのです。




・・・・・・・・・・  うつ 🎻 うつ ・・・・・・・・・・


 


 

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