第952話 『交響曲第3番ハ長調作品21』 エネスコ


 これは、たいへんに、噛みごたえがあります。


 ルーマニアの天才、エネスコ先生(1881~1955)が、1918年に完成させ、1919年に初演し、さらに手を加えたうえ、1921年には、パリで演奏されたそうであります。


 エネスコ先生は、現代の入り口まで生きておられた方でありますが、作品の見た目は、むしろ古典的な外観で、内容も、前衛的とまでは言えないかもしれませんが、頭の悪いやましんには、いったい、どういう構造なのかが、掴めないです。そこは、なかなか、難しい作品。


 冒頭の音楽が、最後まで、千変万化してゆくようでもありますが、変奏曲でもないな。


 次々に、あの手この手が現れて、最後の第3楽章では、歌詞を持たない合唱も入ります。


 交響曲に、このような、歌詞を持たない声楽を入れるのは、この時期、流行ったのかどうかはわかりませんが、ニルセン先生や、アルヴェーン先生など、北欧でも見られます。


 ホルストさまの、『惑星』も、そうだし。


 しかし、エネスコ先生の場合は、合唱にかなり美味しい地位を与えていて、結構活躍します。


 第1楽章の後半が、なかなか、じゅわじゅわ、うつうつで、大変に良い雰囲気になります。


 有名な旋律が出るわけではないですが、なかなか、魅力的なんです。


 まあ、ちょっと手強いことは確かですが、初演の時から好評だったそうです。

 

 作曲された時期が、大変に困難な時代だっただけに、なんだか、強靭な意思表示がなされているのだと思います。


 

 


 ・・・・・・・・・・うつ  🦖  うつ ・・・・・・・・・・


 

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