第848話 『ロンドイ長調K.386』 モーツァルト

 え、また、モーツァルト先生に帰りました。


 1782年10月19日の日付がある作品。


 ピアノ協奏曲の一部のような作品。


 複雑ないきさつを辿って、紆余曲折の末、現在まで伝わった作品とのことであります。


 コンスタンツェ夫人が、自筆楽譜をアンドレさんという出版屋さんに売ったなかに含まれていたけど、最終ページがなかったんだそうです。

 

 それで、アンドレさんは、イギリスのかたに、売った。


 そこから、イギリスにわたり、1838年に、ポッターさんという方が、編曲して、ピアノ曲として出版した。


 ところが、自筆譜がなぜか、ばらばらに散逸してしまい、行方不明になったんだと。


 研究家のアインシュタインさま(物理学のアインシュタインさまとは、関係あるとかないとか、遠い親戚とか、両方あって、わからないです。)が、自筆譜の断片から1936年に、復元版を出版。さらに、1956年に、キングさまにより、イギリスで自筆譜6枚が見つかった。そこで、1962年に全曲が復元されて、この曲の定版となりましたと。


 さらにさらに、1980年になって、音楽学者のアラン・タイソンさまが、大英博物館で、ジュスマイヤーさまの手稿のなかに紛れていた、最後のページを発見したと。


 なんだか、ややこしくて、よくわからないですが、沢山の研究者や演奏家の努力で、めでたく復活できたわけでありましょう。


 自筆譜の表紙に、日付が書かれていたので、作曲された時期は特定できました。

 

 きっと、まだまだ、行方不明の楽譜は、残っている場合があるはずで、このさき、新しい発見がきっとあるでしょう。たぶん。


 こういうお話は、なんだか、わくわくします。


 ピアノ協奏曲の楽章のひとつだったかもしれないのですが、K.414の最終楽章だったのでは?


 と、アインシュタインさまなどの、意見もあるそうですが、証拠はなく、当初はそのつもりだったとしても、やがて、独立した作品としてできたのではないか、と、タイソンさまは、おっしゃいましたような。


 いずれにしても、なにか、決定的な資料が出てこないとわからないと。


 しかし、さらに最近のことは、わからない、やましんです。(最近は資料を買わないので。)


 モーツァルト先生が、最初に書いた協奏曲の楽章を、後から入れ換えたのではないか、と言われる例は、他にもあります。


 フルートと管弦楽のための『アンダンテハ長調K.315』は、もともと、『フルート協奏曲ト長調』の第2楽章だったのですが、注文主の、ドゥジャンさまが、気に入らなかったのかどうか、わからないが、差し替えられたと言われてきましたが、証拠はないんだそうです。


 テクニック的には、現在あるフルート協奏曲ト長調の第2楽章の方が、難しい気がします。


 もっとも、『アンダンテ』も、奥の深い音楽であると、言われます。


         🌸


 さて、この曲は、なんとも、じゅわじゅわな主題をもつ、じっつに、良い音楽なんですが、なんだか、明るい主題なんではありますが、どこか、孤独というか、おとなしいと言いますか、独特の雰囲気が漂う気も、しなくはないなあ。


 今一つ、モーツァルト先生としては、盛り上がらないような。


 でも、モーツァルト先生自身が、誰よりよく知っていたわけですから。


 だから、協奏曲にはせずに、ひとり、独立させたのかしら?


 アホのやましんが推測できることでは、ないですね。





・・・・・・・・うつ  🥑 うつ・・・・・・・・・・

 


 


 

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