第717話 『カッサシオン 作品6』 シベリウス
久しぶりに、やましんの本丸、シベリウス先生(1865~1957)の作品をどうぞ。
とはいえ、この曲は、専門家さまは、別として、シベリウス先生のファン以外には、あまり知られていない作品かもしれません。
作品番号が、『6』、というところが、まず、興味深いです。
と、いいますのも、しべ先生の出世作、『クレルヴォ』が、作品7(1892年初演)で、さらに、出世作第二弾『エン・サガ』が、作品9であります。(書かれたのは1892年。初演は93年』
しべ先生の場合、若い時代の作品には、従来の作品番号がないものが多く、それには、最近は、新たに、JS番号が与えられております。
従来の、作品1は、『5つのクリスマスの歌』(1897~1913)
作品2は、『2つの小品』(1890~91 ヴァイオリンとピアノ)
作品3は、『アリオーソ』(1911 、 弦楽合奏つき歌曲です。)
作品4は、『弦楽四重奏曲変ロ長調』(1890)
作品5は、『6つの即興曲』(1893 ピアノ)
とあります。
で、この、『カッサシオン作品6』は、管弦楽曲で、1904年に、『ヴァイオリン協奏曲』(オリジナルバージョン)などといっしょに、初演されています。
ならば、作曲されたのが、いったい、いつなのかが、なかなか、資料を見てもはっきりしませんが、BISの、『全集』の解説を見ると、このときの演奏会のために、性急に書かれた、と、ありますので、ならば、1904年ということなのでしょう。
とくに、文学的な背景はないらしいですから、特段のストーリーがあるわけではないようです。
だから、作品番号からすると、ちょっと、外れた番号になっております。
詳しいいきさつは分かりません。
ところで、《カッサシオン》といいますものは、ハイドン先生やモーツアルト先生の時代に流行したことがあるんだそうですが、だいたい、《ディベルティメント》とか《セレナーデ》というあたりと、ほぼ、同義に使われていたようです。
音楽としては、小さなピースがいくつか集められた感じになるようですが、しべ先生のこの作品の場合は、全体がひとつにまとまってる中に、いろんな場面が現れるという趣向です。
なかなか、印象的な高揚した場面から始まりますが、じゅわじゅわな場面もあったり、激しく鳴ったりで、10分くらいの中に、いろいろ入ってる、お徳用作品です。まだ、テレビもネットもなく、映画もまだまだこれから、というところの時代ですから(トーキーが出たのが1920年)、そこで、しべ先生の紹介宣伝作品とみる手もあるのではないかしら、と、やましんは、勝手に思います。根拠、なしです。
まあ、かなり混みいった、『ヴァイオリン協奏曲』のオリジナルヴァージョン(現行バージョンよりも、演奏はかなり難しいんだとか。(なんせ、でっかいカデンツア=独奏楽器が、たいていは、単独で、高度な技術を駆使して演奏する聞かせどころ。伴奏が入る場合もあり(べー先生の『ヴァイオリン協奏曲』の『ピアノ協奏曲編曲版』とか。)が二つもあるし。))
しかも、音楽はかなり複雑に込み入っております。一般的には、切り詰められた現行版が高く評価されるでしょうけれども、マニア筋には、オリジナルの方が面白いと言う声も、あるとかないとか。・・・どっち? ・・・あると、聞きます。)といっしょに聞くには、急書きだったにせよ、意外と、良く仕組まれた作品ではないか、と、思うのであります。
なおなお、ついでに、『カッサシオン』ですが、あの『おもちゃの交響曲』なのですが、やましんが小さい頃は、大ハイドン先生の作品と言われていましたが、まもなく、どうも、証拠もなく、モーツアルト先生のお父様の、レオポルトさまが書いたカッサシオンの一部に、大ハイドン先生の弟さんである、ミヒャエル・ハイドン先生(こちらも、なかなかの大物作曲家だった。)が、おもちゃを入れるようにしたんではないか、とか、いろいろと、言われたりしたようなのですが、この世の中は、うっかりしてられないものでありまして、最近になって、どうやら、チロル出身の作曲家で神父様の、エトムント・アンゲラー先生(1740~1794)の作品であることを示す資料が、シュタムス修道院といいますところの資料の中から、1992年になって、出てきたんだそうでありまして、その写譜に、『アンゲラー様が書いた。ベルヒスガーデン製のおもちゃを使った。』、と書いてあったんだそうです。
おそらく、最近の方には、こいつが、常識であって、『そんなの常識~~~』と、言われそうですね。
まったまいった。
あっちこっちで、昔、聞いたうそを、拡げてるかもお~~~~。
ちゃんと、調べないと、あぶないあぶない。
********** うつ 🥁 🥁 うつ **********
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