第695話 『ピアノ・ソナタ第9番ホ長調作品14-1』 ベートーベン
悲愴ソナタの次の番号のピアノ・ソナタです。
1798年の作品。
第7番と共通する、淡いロマンテイックな印象が、なんとも言えない、新しい世の中の優しさと、抵抗しがたいなにかに立ち向かっているような厳しさと、いくらか古典的な端正な形と、未だに破談にはならないようにバランスを保っております。
これが、やがて、その枠をあふれ出して、古いものを破壊してしまったりします。
第8番の悲愴ソナタは、いわば、ちょと、勢い余って、則を超えてしまったなあ、という感じ。
この頃の、ベー先生は、まずは社会から認知されることが重要だったから、でしょうか、まだ、いくらか大人しい感じもします。
でも、このあたりから、シューベルト先生に近いような、ピアノ・ソナタを連発していたのは、すごく、興味深いです。
第7番は、やましんが大好きな曲であります。
この第9番は、3楽章形式の、真空管式じゃなくて、トランジスター式みたいな音楽。
第1楽章は、基本的には、モーツアルト先生みたいな、古典的な明るい顔をしていますが、中身には、ちょっと、どろどろになりそうな、怨念みたいなものが、突然、のぞいたりします。
急に、も~先生のお顔の中から、ベー先生のお顔が現れたような感じで、ちょっとオカルト・ショックみたい。
第2楽章は、あららあ。これは、どっかで聞いたようなあ。
と、さも、思いそうな音楽で、音楽好きや、ピアノをやってた方は、まず、耳にしたり、弾いたりした音楽かも。
短い。これがでも、じゅわじゅわなのです。
第3楽章は、意外や、これまた短くて、あっさりと終わってしまうのが、逆に意表を突かれた感じ。
でも、この主題には、あきらかに、シューベルトさんが顔を出しています。
さて、そこで、ハイリゲンシュタットの遺書(1802年)くらいから後は、既存の音楽を、次々に、破壊してゆきます。
特に、1804年の、『交響曲第3番』(いわゆる、英雄交響曲)は、それより前と後では、西洋音楽の歴史の次元が変わってしまった、くらいの革命的作品だったというわけです。
それはもう、当時の聴衆の方が、うらやましいです。
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