第681話 『交響曲第4番 (落葉)』 ランゴー
『交響曲読本』(音楽之友社、1995年)に、ランゴー先生の交響曲で、唯一掲載されていた、作品。
確かに、それだけの魅力がある。
単一楽章の交響曲ですが、内部はかなり細分化されて、それぞれの部分に、標題がおかれていますから、標題交響曲みたいな見た目はありますが、内容は、あまり、具体的なことがらではなく、わりと、抽象的なものだと思います。
5日間で書かれたとか、4ヶ月で書いたとか、されるんだとか。
短期間に作曲されたというわけでしょう。
いずれにしても、これは、1916年の交響曲でありますそうな。
この時期は、北欧においては、フィンランドのシベリウス先生は、第5交響曲の最初のバージョンを書いた年代で、一方、ランゴー先生の地元、デンマークのニルセン先生は、第4交響曲を完成させた年です。
スウェーデンのステンハンマル先生は、前の年に、第2交響曲を書き上げております。
シベリウス先生の、『交響曲第7番』(1924年)が、単一楽章の交響曲としては、非常に名高いのですが、ランゴー先生のほうが、内容は異なりますが、先に実行しておりましたわけです。(シベリウス先生は、交響曲に標題を付けない。)
ロシアでは、プロコフィエフ先生が、第1交響曲を作曲中で、翌年完成。
マーラー先生は、すでに、この世になく、ドイツでは、リヒャルト・シュトラウス先生が、1915年に、『アルプス交響曲』を書いておりました。(リヒャ・シュト先生は、標題交響曲の大家さん。)
老舗だった、欧州中央における『交響曲』創作は、落日の時を迎えており、以降、北欧、そうして、ロシアに、中心が移り、また、アメリカや、やがて、日本などの、後発国に、その製作が移動して行きます。
とまれ、この、ランゴー先生の『第4交響曲』、強迫観念的な部分と、じゅわじゅわな部分が、交互に現れる、なかなか、聴きがいのある作品。
ただし、ニルセン先生もそうですが、ランゴー先生の音楽は、嫌いな人は、なかなか、好きになるのが難しいタイプの音楽かもしれませんが、このあたりから、切り口を入れるのは、正解かも。
・・・・・・・・・うつ 🍃 🍂 🍃 うつ・・・・・・・
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