第643話 『幻想曲ニ短調 K.397』 モーツァルト

 なかなか、謎の作品。


 でも、たいへん、有名で人気あり。


 1782年の作品だろう、と、いうことですが、証拠はなし。


 最初、アルペジオの、試し弾きみたいな、やや、不気味な開始をします。


 最近のピアニストのかたは、最初に、ぱらぱらぱら〰️〰️〰️と、試し弾きはやらないですが、むかしのピアニストのかたの実況録音では、やってるかたがありました。(バックハウス先生がやっていたような。。。。間違っていたら、すみません。)


 で、そのあとすぐ、『うつうつ』そのものの、神秘的な美しい旋律になります。


 ここ、は、なかなか、癒し度もありますが(個人差あります。)、逆効果の可能性もある、ちょっと、微妙なところ。


 使用には、注意が必要です。


 もっとも、たいへん、ピアニスティックなところもあり、ピアニストさまには、アピール出来る場所でもありそう。


 で、なぜか、最後に、やや、湿り気はあるものの、明るい色調の音楽になり、あっという間に、終わります。


 もちろん、良い調べです。


 しかし、ここが、不思議なんです。


 あまりに、短すぎて、なんだか、バランスがおかしくないかしら。


 現在は、107小節ですが、1804年に出版されたときは、97小節だったそうです。


 楽譜がないので、詳しくわかりませんが、あとから、少しだけ、付け足したということです。


 1804年版は、97小節以降は、なにも書かれていない五線譜になっていたようです。


 つまり、未完成だったのかもしれないです。


 でも、なぜか、1806年には、きちんと、終わりになるまで、楽譜があった。


 このとき、補筆したのは、アウグスト・エバーハルト・ミュラーさまだろうとされるのだそうです。


 もっとも、本来の自筆譜もなく、その筆写譜もなく、確かな資料もなく、なんで、10小節欠けた形で最初は現れ、その後、追加されたのかといえば、素直に、もともときちんとした楽譜がなく、中途半端になっていたのを、ミュラーさまが書き足したんだと、考えるのが一番つじつまは合うようですが、『幻想曲』さんなんで、本来即興性の強い曲種でしたし、もともと、ほかのピアノ・ソナタの前座みたいな音楽だった可能性もあるようです。


 だから、あえて、そこまでしか書かなかった・・・・・

 

 ご本人が、すでに亡くなっていたことから、確認のしようもなかったというわけです。


 それでも、なんだか、やはり、すきりしないんですねぇ。


 まとまった自筆譜や、写譜が出てくると、一番良いのですが。


 でも、もし、ミューラーさまが、補作したのならば、これは、ほぼ完ぺきなお仕事だったと言えそうなのだとか。


 ぶらぼー・ミュラー先生。


 なにしろ、現在においても、大変な、人気作品ですから。





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