第613話 『ピアノ三重奏曲変ロ長調作品19』 ヴィドール

 シャルル=マリー・ヴィドール先生(1844~1937)は、もちろん、オルガンの大家。


 オルガン交響曲を、10曲残しておりまして、実のところ、それ以外は、めったに出てこないです。


 しかし、管弦楽曲、室内楽、ピアノ協奏曲、など、色々書いていらっしゃるようであります。


 ショパンさまは、実際のところ、ピアノ独奏曲に、自ら特化していたわけですが、どうも、これからは、交響曲などにも進みたい、希望はあったらしくも聞きますし、その、能力はあったと思われますが(協奏曲を若くして書いてる訳です。)、死が遮ってしまった……



 一方、ヴィドール先生は、シベリウス先生を越える長寿だったわけで、様々なジャンルの作品があるのに、オルガン交響曲以外は、振り向いてもらえていない。と、いうわけです。


 この作品は、1875年の作品。

 

 第2楽章が、たいへんに、じゅわじゅわ、癒し度かなり高し。(個人差あります。)


 これは、あまりに、もったいない。


 鍵盤楽器の名人ですし、ピアノのそつない動きは、しろと目にも鮮やか。


 第3楽章の中間部も、しとしと、と、泣かせてくれます。


 (む、なにか、また、危ないニュースが………)


 第4楽章は、たいへんハツラツとした、しかし、ふと、陰ってみたりするのは、やはり、フランスの作曲家さまですな。


 なかなか、手の込んだ、しかし、過不足のない、さすがあ!と、うならせる、超一流のプロの作品と、実感させます。


 ただし、作風は、伝統的なロマン派の範囲内。



 オルガン交響曲以外も、可能だったら、色々、聞いてみたいところです。(とはいえ、オルガン交響曲を全部聞いたわけではございません。はい。)


 ヴィドール先生、恐るべし。



・・・・・・・・・・・うつ  ⛰️  うつ・・・・・・・・・・・・・





 


 

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