第612話 『ピアノ・ソナタハ短調 D958』 シューベルト
これも、1828年、亡くなる年に書かれた三つのソナタのひとつ。
なにしろ、ハ短調ときたら、ベートーベン先生を想いながら書いたに違いないソナタ。
実際に、ベー先生の作品との類似性が指摘される作品ですが、そこは、シューベルト先生でもあります。
頭から、ベートーベンさんを想起させる、厳しく荘重な音楽ですが、一生懸命ベートーベンさんする傍らで、なにか旋律的な展開部は、やっぱ、シューベルト先生。
謎を含んだ第1楽章の終結は、確かに、ベートーベン先生を想わせるところが強いです。
シューベルト先生自身は、『歌曲はもうやめ、これからは、オペラと交響曲だ。』とも、おっしゃっていたらしいですから、ベートーベン先生をお手本に、さらなる飛躍を目指していたのでありましょう。
しかし、一方で、どうも、体調がおかしいぞ。
と、いうこともあったみたいで、ずいぶん葛藤していたとも。
現代ならば、おそらく、回復可能だったかもしれない。
第2楽章は、やはり、ベートーベン先生の、7番とか、8番(悲愴ソナタですな。)、ちょっととんで、27番、あたりのゆっくり楽章に通じる雰囲気もたしかに、ありそう。
第3楽章は、なんだか、今一つ、ここでは、調子が上がらない感じもいたしますが……なんだろう。ある種の壁にぶつかってるような、もどかしさみたいな。
しかし、もやもやを、吹っ飛ばそうと、エネルギー充填120パーセント、スロットル全開、フル・スピード! みたいにぶっ飛ばすのが、最終第4楽章。
ありったけの力を、振り絞るように進みます。
半音階の進行が、ヘアピン・カーブから落っこちるんじゃないか? と、心配させたり。
でも、シューベルト先生、珍しいくらいに、あたかも、ピアノを酷使するかのよう。
髪を振り乱して演奏するらしき姿は、元気だった時代のベートーベン先生さながら。(見たことないですけどね。)
シューベルト先生の、意識のなかには、実際に、ベートーベン先生の姿があったかもしれないです。
狂おしいくらいに走りながら、突然の、終わりになります。
うわ、トラウマになりそ。
かなり、厳しい音楽なので、あまり、癒しには、なりにくいかもしれませんが、はまったら、抜けられない魅力あり。
あと、ふたつのソナタでは、ついに、ベートーベン先生とは、別の世界を開いてしまいます。
それは、まだ見ぬ、異世界、あるいは、天国、に、つながる世界であります。
その、D959さんについて、まだ、書きかけですが、こちらは、これでおしまい。
D960は、そのあとで、の、予定です。
やましんも、なんだか、からだが(頭か?)変だ。
地球さんが、重たすぎる。
ただいま、後ろから、D960のソナタが、鳴っております。
やはり、これは、この世のものでは、ない。
・・・・・・・うつ 😱 うつ・・・・・・・・・・
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